赤字48億円でも拡大するBrave group。国内12社の登記で読むVTuber企業の設計図

株式会社Brave group の決算公告6期で累計▲48.13億円の赤字。それでも国内グループ12社が拡大した背景を、A〜H-2種までの種類株式・新株予約権9シリーズ・買収組4社の同住所移転で読み解く。

Compalyze 編集部分析対象株式会社Brave group

この記事のポイント

  • 株式会社Brave group の決算公告6期通算は 当期純利益 ▲48.13億円 の累計赤字。それでも純資産は ▲0.03億円 → 17.46億円に積み上がっており、 A種〜H-2種 までの種類株式と新株予約権9シリーズを使った長期の調達が、それを下支えしている
  • 国内グループ12社は 本体1社・初期事業会社1社・買収組4社・新設組5社・本体吸収済1社 に分けて整理できる。 買収組4社はいずれも 本店を 株式会社Brave group 本社(東京都港区芝四丁目1番28号)と同じ住所に移転 しており、 登記の上では グループ統合の外形的なシグナル として捉えられる
  • 「増資→1億円減資」のルーティンが3回(2023-09/2024-09/2025-09)、 株式分割 1株→100株(2024-12)、 監査等委員会設置会社へ移行+会計監査人 太陽有限責任監査法人 就任(2025-12)と、 上場準備期によく見られる体制整備の登記イベント が直近に集中している

1. なぜ累計▲48億円の赤字でも国内12社体制を組めたのか

株式会社Brave group(法人番号 6010901040947、本店 東京都港区芝四丁目1番28号、2017年10月11日設立)は、VTuber/バーチャルエンターテインメント領域を主力とする非上場会社である。決算月は9月。

決算公告6期(FY2019/9〜FY2024/9)の累計純損失は ▲48.13億円 。 ところが純資産は ▲0.03億円 → 17.46億円 に積み上がっており、 純損失を上回る規模の 外部資本 が支え続けている構図になる。 同じ時期、登記簿には A種〜H-2種までの9系統の種類株式、新株予約権9シリーズ、そして直近の H種大型ラウンドが刻まれている。

会社の輪郭をもう1枚先まで広げる。 Brave group コーポレートサイトに記載された 国内10社 に、 本体1社登記簿で吸収合併が明示されている旧子会社1社(株式会社And Epoch を加えた 12社 を並べると、 累計赤字を抱えながら拡大してきたグループの設計図がそのまま見えてくる。

以下、 まずこの12社の地図を広げる。 そのあとで、 拡大を支えた資本政策(増資・減資・種類株式)と、 直近の上場準備期の動きを順番に追っていく。


2. 国内グループ12社の地図 — 本体1社/初期事業会社1社/買収組4社/新設組5社/本体吸収済1社

国内グループ12社の設立とグループ入りタイミング

12社を 設立年グループ入りイベント で並べると、 2001年設立の最古参(株式会社ディーワン=現 D1-Lab)から2024年設立の最新組(Brave pictures)までが、 ひと続きの時系列として見える。

分類会社設立グループ入りイベント
本体株式会社Brave group2017-10
初期事業会社株式会社バーチャルエンターテイメント2018-03設立時から並走、2020年A種優先株式発行
買収組株式会社D1-Lab(旧 株式会社ディーワン)2001-08(最古参)2023-10 港区芝へ本店移転/2024-10 商号変更+MetaLab合併
買収組株式会社Smarprise2015-042024-04 港区芝へ本店移転
買収組Geek Hive株式会社2019-112023-06 港区芝へ本店移転
買収組株式会社Neo-Porte2022-052025-02 港区芝へ本店移転+Brave group本体の取締役が代表取締役として就任
新設組株式会社LaRa2022-03Brave group が設立
新設組株式会社RIOT MUSIC(旧 SuperYellow株式会社)2022-07Brave group からの会社分割で設立/2023-06 商号変更/2025-02 株式会社超銀河レコード に再分割
新設組株式会社Game & Co.2022-12Brave group が設立
新設組株式会社ENILIS2023-042025-04〜05 に MateReal株式会社株式会社brossom を吸収合併
新設組株式会社Brave pictures2024-02Brave group が設立
本体吸収済株式会社And Epoch2022-062024-12-09 Brave group 本体に吸収合併

12社の事業領域は、 VTuberプロジェクト(バーチャルエンタ・LaRa・Neo-Porte 等)、 音楽(RIOT MUSIC・超銀河レコード)、 ゲーム(Game & Co.)、 IPライセンス/映像制作(Brave pictures・D1-Lab)、 マーケティング/IT開発(Smarprise・Geek Hive)、 と幅広い。 VTuberタレント事務所、音楽レーベル、ゲーム開発、IP制作、マーケティング、システム開発 という、 エンタメ事業に必要な機能を、 別法人に分けて並走させる 「グループ構築型」 の構造になっている。

海外グループ5社 — 2023〜2025年で5地域に拠点を立て続けに設立

株式会社Brave group は コーポレートサイトで 海外グループ5社も公表している。 各国の登記制度に依存するため詳細はここでは追わないが、 コーポレートサイトに記載された 設立年主要イベント を並べると、 直近2〜3年で 米国・タイ・中国・韓国の4拠点と VTuberエージェンシーStelLive を取り込み、 海外展開を加速させてきた様子が見える。

会社拠点設立年公開情報の主な出来事
Brave group US Inc.米国2023年3月2024年8月に米国系VTuberプロジェクト「idol」を事業譲受
Brave group APAC(Thailand)Co.,Ltd.タイ(東南アジア統括)2023年11月
布雷福(深圳)贸易有限公司(Brave group China)中国・深圳2023年12月
주식회사 브레이브그룹한국(Brave group Korea)韓国2025年3月
StelLive inc.(所在地はコーポレートサイトに記載なし)2025年7月 経営統合

国内では 制作・音楽・マーケ・IT開発の機能を子会社化 し、 海外では 地域拠点と海外VTuber事業の拡大 を進めている、 という役割分担になっている。


3. 買収組4社(D1-Lab/Smarprise/Geek Hive/Neo-Porte)— 同住所移転がグループ統合の外形的シグナル

買収組のうち、 登記簿の閉鎖履歴で動きが厚いのは D1-Lab/Smarprise/Geek Hive の3社。 ここに 2025年2月に統合されたばかりの Neo-Porte を加えた4社が、 直近2〜3年の買収組にあたる。

共通するのは、 本店を Brave group 本社(東京都港区芝四丁目1番28号 PMO田町Ⅲ7F)と同住所に移転 する登記が、 グループ入りの 外形的なシグナル として残る点である。 厳密には買収契約日や株式譲渡日とは別の論点だが、 登記の上で確認できる「グループ統合の節目」 として読める。

株式会社D1-Lab(旧 株式会社ディーワン、法人番号 2011001044454)

  • 設立 2001年8月1日 (12社で最古参、24年の歴史)
  • 旧商号 「株式会社ディーワン」
  • 本店履歴:渋谷区恵比寿 → 2023年10月17日 港区芝へ移転
  • 2024年10月1日 商号を「株式会社D1-Lab」へ変更 + 同日付で株式会社MetaLabを吸収合併
  • 事業目的:コンピューターグラフィックの企画・制作、映画・ビデオの制作、広告代理業、各種イベントの企画

グループ統合のシグナル(本店同住所移転)から商号変更まで約1年。 途中で MetaLab合併を挟み、 CG/映像制作機能の集約 が登記の上で形になっている。

株式会社Smarprise

  • 設立 2015年4月1日(Brave group本体より2年早い)
  • 本店履歴:渋谷区渋谷 → 恵比寿南 → 恵比寿 → 2024年4月1日 港区芝へ移転
  • 旧資本金 5,000万円 → 2019年12月 9,750万円 へ増資、 株式数 1,250株→25,000株 への増加履歴
  • 事業目的:マーケティングリサーチ、広告宣伝代理店業、有料職業紹介、スマホアプリ開発
  • グループ統合後、 旧来からの取締役を1名残しつつ Brave group 本体の取締役が一旦就任し、 2024年末に本体側の別メンバー2名へ承継

Geek Hive株式会社

  • 設立 2019年11月27日
  • 当初資本金 10万円 、 発行株式 10株 。 設立直後の小規模なフェーズの数字
  • 2021年11月20日 株式数を5,000株へ拡大、 同年12月22日 6,250株へ
  • 本店履歴:2022年5月 東京都渋谷区恵比寿西 → 2023年6月22日 港区芝へ移転
  • 事業目的:IT事業、システム/ソフトウェア開発、ITスクール経営

株式会社Neo-Porte

  • 設立 2022年5月10日
  • 本店履歴:千代田区外神田 → 2022年10月 渋谷区神南 → 新宿区西新宿 → 2025年2月1日 港区芝へ移転
  • 同日付で Brave group 本体の取締役が代表取締役として就任
  • 4社の中ではグループ統合の時期が最も新しい

買収組4社の事業構成は、 CG・映像/マーケティング広告/IT開発・スクール/VTuberプロジェクト 。 VTuber事業を支える機能群を、 グループ内に取り込んでいった構図として読める。


4. 新設組5社の組織再編 — 会社分割・再分割・連続吸収合併

新設組5社のうち、 特に組織再編が続いているのが RIOT MUSICENILIS の2社である。

RIOT MUSIC — Brave group から分割設立 → 商号変更 → さらに再分割

  • 2022年7月1日 株式会社Brave group からの会社分割で設立 (新設分割)
  • 設立時の商号は 「SuperYellow株式会社」
  • 2023年6月1日 商号を「株式会社RIOT MUSIC」に変更
  • 設立時の本店:港区芝浦 → 2023年4月 港区芝(Brave group本社と同住所)に移転
  • 2025年2月26日 株式会社超銀河レコード(2025年1月17日設立、東京都千代田区神田須田町)へ音楽事業の一部を会社分割

Brave group 本体から音楽事業を分社化し、 商号を変えてブランド化し、 さらに2025年に音楽事業の一部を 株式会社超銀河レコード に切り出す、 という連続した動きが登記の上で追える。

ENILIS — 設立2年後に2社を吸収合併

  • 2023年4月6日 株式会社Brave group のグループ会社として設立
  • 2025年4月〜5月 2社を続けて吸収合併
    • MateReal株式会社(2018年5月設立、本店:港区芝・Brave group本社と同住所、2025年4月11日 合併登記)
    • 株式会社brossom(2019年2月設立、本店:渋谷区桜丘町23番3号 篠田ビル3階「グロース渋谷」内、2025年5月16日 合併登記)

新設組のもう1社、 株式会社Brave pictures(2024年2月設立)は、 設立直後の2026年3月10日付で 資本金 1,500万円→1,000万円への減資 が登記されている。 グループ拡大期の中で、 子会社段階での資本構成の調整も並走している。


5. 2024年12月、株式会社And Epoch の本体吸収

グループ拡大の節目として一番大きい登記イベントが、 2024年12月9日付の 株式会社And Epoch(法人番号 9010401167767)の本体吸収合併 である。

  • 株式会社And Epoch2022年6月6日設立株式会社Brave group のグループ会社として)
  • 登記簿の最後の決算公告(FY2023/9)では 純資産 ▲0.35億円の債務超過、 当期純利益 ▲0.39億円
  • 設立から 2年半 で本体吸収

吸収のタイミングは Brave group が 株式分割(同月26日) を実施する直前にあたる。 時期的には株式分割やH種ラウンド前後の資本政策と近く、 グループ内の組織を整理する動きの一つとして読める。


6. 6期累計▲48.13億円の損益 — それでも純資産は積み上がる

当期純利益6期と累計赤字

株式会社Brave group の決算公告は2019年9月期以降、 官報に毎期掲載されており、 確認できるのは FY2019/9 から FY2024/9 までの連続6期分 。 6期はすべて純損失となっている。

当期純利益純資産総資産負債資本金
FY2019▲4.91億円▲0.03億円14.34億円12.52億円2.81億円
FY2020▲4.69億円1.93億円24.83億円5.52億円1.77億円
FY2021▲3.08億円0.51億円10.78億円5.64億円2.60億円
FY2022▲5.04億円13.74億円157.56億円20.18億円1.00億円
FY2023▲8.85億円27.77億円353.62億円75.87億円1.00億円
FY2024▲21.56億円17.46億円419.27億円244.66億円1.00億円

通算で ▲48.13億円 。FY2024 単体の ▲21.56億円は、6期で最大の赤字幅となった。一方で、純資産は ▲0.03億円から17.46億円まで積み上がっており、 累計純損失だけを見れば債務超過に転落していてもおかしくない規模 を、 外部からの調達でカバーしている構図が示唆される。

純資産・総資産・負債の6期推移

総資産は同期間で 14.34億円 → 419億円規模まで拡大し、 負債側も 12.52億円 → 244.66億円に膨らんでいる。 FY2022 以降の総資産・負債の急増は、 外部調達やグループ拡大に伴う資産・負債の膨張と整合する。 ただし、 決算公告だけでは現預金、 投資、 関係会社株式などの内訳までは確認できない。


7. 「増資→1億円減資」のルーティンが3回

決算公告の貸借対照表だけでは見えない動きが、 資本金の登記履歴に残っている。

資本金履歴 — 「増資→1億円減資」のルーティン3回

増資で資本金が大きく膨らんだ直後に、 毎期末(9月30日)に資本金を1億円まで圧縮する 動きが 3回 繰り返されている(2023-09/2024-09/2025-09)。 資本金1億円以下の税務・制度上の扱いを意識した可能性が高く、 未上場スタートアップでよく見られる資本政策と符合する。

日付資本金動き
2022-09-301.00億円1回目の減資後
2023-01-272.60億円F種優先株式 1,442株 発行
2023-08-1812.55億円G種優先株式 8,292株 発行(ピーク)
2023-09-301.00億円減資(1回目)
2023-12-224.21億円G種追加発行
2024-04-096.21億円G種追加発行
2024-09-301.00億円減資(2回目)
2025-07-3113.33億円H種優先株式 717,370株+H-2種 63,292株 発行
2025-09-301.00億円減資(3回目)
2025-11-142.50億円H種追加発行
2026-03-3114.00億円H種追加発行(ピーク)

直近の2026年3月31日付登記では、 資本金が 14.00億円 まで戻っており、 過去最大の調達クローズが進行中であることが登記の数字から確認できる。


8. 種類株式A〜H-2種で読む長期調達と、登記ベースの会社全体評価額試算

株式会社Brave group が発行している種類株式は、定款上 A種・B種・C種・D種・E種・F種・G種・H種・H-2種 の9系統。 それぞれに残余財産分配の優先順位(=各シリーズの取得価額)が定められている。 取得価額は登記簿に明記されているため、 そのまま 「各ラウンドの1株あたりの値段」 として使える。

種類1株あたりの取得価額(残余財産優先分配額)
A種16,667円
B種84,000円
C種124,000円
D種124,000円
E種158,830円
F種約 222,000円(資本金増÷株数で推定)
G種約 240,000円(同上)
H種 / H-2種直近ラウンドの単価。株式分割1:100 後で 1株 約3,161円(旧株価換算 約316,100円相当)

発行済株式数の推移 — A〜H-2種の累積

発行済株式総数は、 2022-09時点で 3万8,546株 だったものが、 2024-12-26 の株式分割(1株→100株) で一気に5,262,100株へ拡大し、 その後のH種ラウンドの追加発行で 2026-03-31 時点で 6,865,547株 に到達している。

登記ベースの会社全体評価額の試算(直近H種ラウンド時点) は次のとおり。

登記ベースの会社全体評価額の試算(直近ラウンド時点)

  • 直近H種ラウンド時点の 1株あたりの値段: 約3,161円(資本金増分×2 ÷ 新規発行株数 から算出)
  • 発行済株式(普通株+A〜H-2種): 6,865,547株 → 試算 約217億円
  • 新株予約権9シリーズの合計目的株式数: 概算 約183万株 (株式分割の調整後)
  • 全株式数(発行済 + 新株予約権):約 870万株 → 試算 約275億円

これは「直近ラウンド単価を前提にした、登記ベースの会社全体評価額の目安」として捉えられる数字である。 上場株式の市場価格に基づく時価総額とは性質が異なる点に留意したい。


9. 上場準備期によく見られる体制整備が直近に集中

直近1年半に集中している登記イベントは、 上場準備期の会社でよく見られる体制整備のステップ が並ぶ。

Brave group の主要登記イベントタイムライン

日付出来事
2024年12月26日株式分割 1株→100株
2024年12月9日株式会社And Epoch を本体吸収合併
2025年12月18日監査等委員会設置会社へ移行 (取締役3名が同日付で監査等委員に就任)
2025年12月18日会計監査人として 太陽有限責任監査法人 が就任
2026年3月31日H種優先株式 追加発行(資本金14億円まで戻る)

このうち、 株式分割/監査等委員会設置会社への移行/会計監査人の選任 の3点は、 東京証券取引所の上場審査で求められる体制整備の典型的なステップにあたる。 直近の H種大型調達と組み合わせると、 上場準備と整合する登記イベント が立て続けに残っている局面が見えてくる。 ここから先の動き(上場申請日や予定取引所など)は公告にも登記にも現れず、 当社のリリース等の開示を待つ領域に入る。


10. PR 611件 — タレント発信・ライブ・物販に重点

株式会社Brave group 本体名義の PRTimes リリース数は、 過去数年で累計 611件 。 主要なキーワードで分類すると、 構成は次のとおり(同一リリースが複数カテゴリに該当しうる重複ベース)。

PRリリース件数

カテゴリ件数主な内容
ライブ・イベント142件コンサート、 ライブ、 オフライン/オンラインイベント
タレント・新規プロジェクト発表106件新規VTuberデビュー、 所属、 新人発表
グッズ・コラボ125件グッズ発売、 飲食店・アパレル・キャラクター企業とのコラボ
海外展開45件海外プロジェクト、 グローバル展開
「ぶいすぽっ!」関連42件Brave group の主要プロジェクト「ぶいすぽっ!」関連リリース
提携・M&A・資金調達29件事業提携、 資本提携、 ラウンド発表、 事業譲受
採用・人事11件経営人事、 採用関連

タレント・プロジェクト系(106件) + グッズ・コラボ(125件) + ライブ・イベント(142件) が PR の中核を占めており、 国内グループ12社(プロジェクト運営/音楽/物販・コラボ/海外)の役割分担と整合する構成になっている。

特許庁 J-PlatPat 上で当社名義の知財は 商標を中心に22件 。 ただし VTuber/IP企業の場合、 商標は本体名義だけでなく、 子会社・プロジェクト単位(バーチャルエンタ、 Smarprise 等のグループ内法人名義)にも分散することが多く、 本体名義22件だけでグループ全体のIP保有状況を表しきれない点には注意が必要である。 グループ全体では数十件規模に達する。


11. 役員ガバナンスとグループ全体の経営体制

代表取締役は 野口圭登氏(2017年の設立時から現任) 。 取締役は2022〜2025年の各タイミングで複数名が就任しており、 グループ各社の取締役欄にも本体の取締役の氏名が複数並んでいる。 「Brave group 本体の経営陣がグループ各社の取締役を兼務する」体制 がここでも登記から確認できる。

監査役は2025年12月18日付で監査等委員会設置会社への移行に伴い、 監査等委員(取締役3名)に再編されている。 会計監査人 太陽有限責任監査法人 は同日付で就任。 公的な監査体制の整備が、 直近で一気に進んだ局面と整合する。


12. 公開情報で言えないこと

最後に、 ここまで使った情報源では届かない領域をはっきりさせておく。

  • 当社は 連結決算を公表していない非上場会社で、 グループ全体の売上・利益の連結ベースの数字 は公開情報には現れない
  • 各種優先株式の 株主の正体(VC・事業会社・個人) は登記には記載されない
  • 海外グループ5社(米国/タイ/中国/韓国/StelLive)の 詳細な財務・所在地・出資比率 は、 国内12社と同じ粒度では追えていない
  • 上場予定取引所・上場時期・想定主幹事証券などのIRに直結する情報は、 登記・公告には現れない

それでも、 当社1社の登記簿(現行+閉鎖履歴)と決算公告6期に、 国内グループ11社の登記簿を組み合わせるだけで、 「累計▲48億円の赤字を抱えながら国内12社の傘下を組み、 上場準備と整合する登記イベントを立て続けに並べている投資先行型ベンチャーの設計図」 が時系列でつながる。 H種ラウンドが進行中の局面で、 直近の動きはほぼリアルタイムで登記に反映されつつある。


計算方法(Methodology)

  • 6期分の決算公告データは、 すべて 官報の決算公告 から取得した株式会社Brave group の年次データ。 決算月は9月、 すべて単体ベース。 各期の「FY」は決算期末の年を指す(FY2024 = 2024年9月期)
  • 当期純利益・総資産・純資産・負債・資本金は、 官報の表記をそのまま採用し、 円換算後の 億円表示(小数点第2位まで) に統一している
  • 「6期累計純利益 ▲48.13億円」は、 6期の当期純利益の単純和
  • 種類株式の取得価額(=払込価額)は、 現行登記事項全部証明書の「残余財産の分配」条項に明記されている数字を採用(A種16,667円/B種84,000円/C種124,000円/D種124,000円/E種158,830円)
  • F種以降の払込価額は、 各回の 「資本金増分 × 2 ÷ 新規発行株数」 で推定(F種 約222,000円/G種 約240,000円/H種 約3,161円〈株式分割後ベース〉)
  • 直近のH種ラウンド単価 約3,161円は、 2025年7月31日の資本金変動(+12.33億円)÷ 同日付増加株式数(H種717,370株+H-2種63,292株 = 780,662株)×2 で算出
  • 全株式数の集計は、 発行済株式(6,865,547株、 2026年3月31日時点)+ 新株予約権9シリーズの合計目的株式数(概算 約1,833,416株、 株式分割後)約8,698,963株 とした。 新株予約権9シリーズの内訳は、 登記簿の各シリーズの「新株予約権の数」と「目的株式数」を株式分割(2024-12-26 1:100)後の単位に揃えて集計
  • 「会社全体の評価額」は登記の H種ラウンド単価×全株式数の試算であり、 上場株式の市場価格に基づく時価総額とは性質が異なる
  • 国内グループ12社の分類は、 Brave group コーポレートサイトに記載された国内10社に、 本体1社と、 登記簿で Brave group への吸収合併が明示されている旧子会社1社(株式会社And Epoch)を加えたもの
  • 買収時期は、 各社の閉鎖事項証明書または現行登記事項全部証明書の 本店移転履歴 から、 Brave group 本社(東京都港区芝四丁目1番28号 PMO田町Ⅲ7F)と同住所に移転した日付を採用。 厳密には買収契約日や株式譲渡日とは別の論点であり、 「グループ統合の外形的シグナル」 として扱っている
  • 当社の現任の代表取締役は野口圭登氏(2017年の設立時から在任)のため、 本文では同氏のみ実名で表記。 それ以外の取締役・監査役・退任者は役職表記としている
  • 当社が連結決算を公表していないため、 グループ全体の売上・利益の集計はスコープ外 。 本稿の各種数字はすべて株式会社Brave group 単体ベースである

ファクトシート

項目内容
法人名株式会社Brave group
法人番号6010901040947
本店東京都港区芝四丁目1番28号 PMO田町Ⅲ7F
設立2017年10月11日
決算月9月
資本金14億300万円(2026年3月31日時点。直近の減資基準日は2025年9月30日の1億円)
発行可能株式総数(普通株式)1億株
発行済株式の総数6,865,547株(2026年3月31日時点、A〜H-2種の合計)
株式の譲渡制限あり(取締役会承認)
公告方法官報
機関設計取締役会設置会社/監査等委員会設置会社(2025年12月18日移行)/会計監査人 太陽有限責任監査法人
代表取締役野口圭登(2017年10月11日 設立時から在任)
国内グループ会社10社(バーチャルエンターテイメント/LaRa/Neo-Porte/RIOT MUSIC/ENILIS/Smarprise/Game & Co./D1-Lab/Brave pictures/Geek Hive)
本体吸収済の旧子会社And Epoch株式会社(2024年12月9日 本体合併)
海外グループ会社5社:Brave group US Inc.(2023年3月)/Brave group APAC(Thailand)Co.,Ltd.(2023年11月)/布雷福(深圳)贸易有限公司(2023年12月)/주식회사 브레이브그룹한국(2025年3月)/StelLive inc.(2025年7月経営統合)

本文で言及した企業