ログラスの損益7期分を決算公告から復元する──シリーズB 70億円は、登記にどう現れたか
経営管理クラウドのログラスは、決算公告に当期純利益をほとんど載せない。7期分の貸借対照表と登記から損益を復元し、シリーズB 70億円がどう帳簿に現れたか、全株式数ベースの推定評価額(上場企業の時価総額に相当)約267億円までを追った。

この記事のポイント
- 決算公告に当期純利益が添えられていたのは7期のうち第6期だけ。残る6期は貸借対照表と登記から復元でき、しかも独立した2つの経路が7期とも同じ数字を指す。直近の第7期(2026年4月期)は 35.48億円の損失、累計は 90.62億円になる
- シリーズBの70億円は、登記に「B1種優先株式 6,876,224株 × 1株1,018円 = 69億9,999万6,032円」として現れる。同じ時期のB2種優先株式は、2022年に入った17億円が株式へ姿を変えたもの
- 2025年3月、資本金を44.03億円から1億円へ。生じた剰余金43.03億円は第6期に26.31億円、第7期に16.72億円と2期に分けて累積損失の穴埋めに充てられ、使い切っている
経営管理クラウド「Loglass」を手がける株式会社ログラスは、事業の数字をほとんど数字で語らない会社だ。売上高もARR(年間経常収益)も導入社数も、公表されているのは「前年比3.2倍」のような倍率だけで、絶対額が出てこない。非上場なので有価証券報告書もない。
外から中身を追える一次資料は、決算公告と登記簿にほぼ限られる。しかも公告に載るのは貸借対照表で、当期純利益(税金などを反映した最終的な損益)が付記されていたのは、7期のうち第6期の1回だけだった。
それでも、7期分の貸借対照表を縦に並べて登記簿と突き合わせると、残る6期の数字も決まる。この記事は、そうやって復元した損益と、会社が自分で公言した計画を並べたものだ。
1. 公告に載らない損益を、貸借対照表から復元する
まず全体像から。

手がかりは2つある。どちらも貸借対照表の中にある。
1つめは「繰越利益剰余金」。創業以来の利益と損失を足し合わせた残高で、期首と期末の差がその期の損益になる。ただし第6期と第7期は、累積損失を資本剰余金で埋める処理(欠損填補)が挟まっているので、その分を足し戻す。第7期なら、繰越利益剰余金の減少 18億7,657万4,086円に、填補に使われた 16億7,191万6,717円を足して 35億4,849万803円。
2つめは「株主資本合計」で、こちらは登記と組み合わせる。株主資本が1年で動く理由は2つしかない。株主からの払込と、その期の損益だ。払込の額は登記の資本金の動きから計算できる。だから株主資本の増減から払込を引けば、損益が残る。第7期は払込がゼロで、株主資本は 32億8,971万6,768円から ▲2億5,877万4,035円へ。差はやはり 35億4,849万803円になる。
この2つは別の行から出発しているのに、7期とも同じ数字に着地する。第1期なら、設立時の300万円と2019年9月の払込 4,983万6,864円を合わせた 5,283万6,864円に対して、期末の株主資本は 2,755万6,891円。差の 2,527万9,973円が、繰越利益剰余金の残高とぴったり一致する。第6期のように 86億9,999万6,202円もの払込が入った期でも、同じようにそろう。
答え合わせもできる。第6期の公告だけは、貸借対照表の下に付記事項として「当期純利益: -2,882,116,583円」と書かれている。復元値と1円まで同じだ。この1点で方法が検証できるので、記載のない残る6期も同じやり方で読める。
剰余金を動かす要因としては配当もありうるが、期によって事情が違う。第1期から第5期までは繰越利益剰余金がマイナスのままで、資本剰余金も資本準備金(株主の払込額のうち資本金にしなかった部分など)だけ。配当に回せる剰余金がそもそもない。第6期は、資本金を減らして生じた 43億291万6,634円が、欠損填補 26億3,099万9,917円と期末残高 16億7,191万6,717円にちょうど分かれて1円の余りも出ない(この資本金の減少については§5で扱う)。残るのは第7期で、期首にあった 16億7,191万6,717円が期末にゼロになっている。ここは全額が欠損填補に充てられたものとして扱った。株主資本等変動計算書は公開されていないので、第7期の数字にはこの前提が一つ入る。
| 期 | 期末 | 当期純損益 | その期の払込(登記から) | 公告への付記 |
|---|---|---|---|---|
| 第1期 | 2020年4月 | ▲0.25億円 | 0.53億円 | なし(復元) |
| 第2期 | 2021年4月 | ▲0.20億円 | ‐ | なし(復元) |
| 第3期 | 2022年4月 | ▲1.17億円 | ‐ | なし(復元) |
| 第4期 | 2023年4月 | ▲6.29億円 | ‐ | なし(復元) |
| 第5期 | 2024年4月 | ▲18.40億円 | 0.50億円 | なし(復元) |
| 第6期 | 2025年4月 | ▲28.82億円 | 87.00億円 | あり |
| 第7期 | 2026年4月 | ▲35.48億円 | ‐ | なし(復元) |
| 累計 | ▲90.62億円 |
損失は7期とも一度も途切れず、第4期以降は毎年ふくらんでいる。直近の第7期は前期比でおよそ23%増。第4期から第7期までの4年で、損失の規模はおよそ5.6倍になった。
ここで確認しておきたいのは、この数字が何を意味しないか、だ。決算公告に載るのは貸借対照表だけで、損益計算書の内訳は出てこない。人件費がいくらで、広告宣伝費がいくらで、開発にいくら回ったのかは、公開資料からは分からない。だから「90.62億円の赤字」という数字だけでは、それが何に消えたのかは決められない。
決められるのは、その隣に何が起きていたか、までだ。
2. 70億円の使途は、最初から公表されていた
ログラスは、自分が何に賭けているかを外に向かって言っている会社でもある。
シリーズB 70億円を発表した2024年7月31日のリリースには、調達額と投資家だけでなく、その先の設計図が並んでいた。「2027年4月までに提供プロダクト/サービス数を20以上に拡大」。同じ2027年4月までに社員数を500名以上へ。マーケティング・PR施策には、そこまでの累計で35億円規模を投じるとしている。加えて、ベトナムやインドなど新興国への開発拠点設置、関西支社の開設、そしてM&A。
計画に置かれた2027年4月は、この会社の第8期末にあたる。つまり次に出る決算公告が対象とする期の、その終わりだ。
調達から2年、その間に外から見えたものを並べていく。

社会保険の被保険者数でみた従業員は、シリーズBの直前にあたる2024年5月の139人から、2026年7月の342人へ。2年2か月で203人増え、月平均およそ7.8人のペースになる。第7期(2025年5月〜2026年4月)の1年に限れば213人から311人で、98人増えた。この年の1か月目にあたる2025年5月12日には、20プロダクトに向けてプロダクトマネジメントの採用を加速するというリリースも出ている。
同じ期間にプロダクトも積み上がった。2025年9月に「Loglass AI Agents」構想を発表し、12月に上場企業のIR部門向けの「Loglass AI IR」、2026年2月に「Loglass 設備投資計画」を投入している。2025年6月には「Loglass AI Sales」の商標を出願し、翌年1月に登録された。拠点も動いた。関西(2024年11月)に続いて東海(2025年5月)、名古屋オフィス(2025年8月)を開き、2025年9月には関西を拡大移転している。2026年4月には経団連へ入会した。
掲げた計画と、人と、プロダクトと、拠点の動きは噛み合っている。ただし、それと赤字の中身がその投資であることは別の話だ。費目別の内訳が公開されていない以上、35.48億円のうちどれだけが前向きな投資で、どれだけがそれ以外なのかを、外から確定することはできない。会社が公表しているのは使途の項目までで、実際にいくら使ったかの金額ではない。
3. 契約の積み上がりは前受収益に出ている
売上高が非公開でも、事業の伸びを推し量る手がかりが貸借対照表に一つだけ残っている。前受収益だ。
年払いなど、サービスを提供する前に利用料を受け取る契約では、まだ提供していない期間の分は売上にできず、負債として計上される。それが前受収益で、期末に積み上がっている額は、翌期以降に売上へ振り替わっていく契約の残りにあたる。

第4期の4.74億円から、7.46億円、12.67億円、そして第7期の22.87億円へ。伸び率は前年比 +57%、+70%、+80%と、年を追って上がっている。
ここで留保が要る。前受収益は決算日時点の残高であって、ARRでも売上高でもない。年払いと月払いの比率が変わったり、請求のタイミングがずれたり、複数年契約が混じったりすれば、契約の総額が同じでも残高は動く。解約率や継続率も公開されていない。確認できるのは「期末の前受収益残高が3年続けて増え、その増え方も速くなっている」というところまでで、契約そのものが加速しているかどうかは仮説にとどまる。
それでも、外から見える唯一の量的な手がかりが3年連続で伸び率を上げていることは、記録しておく価値がある。導入先として公表されている企業には、パーソルホールディングス、味の素、TOPPANホールディングス、MIXI、関西電力、カカクコムといった名前が並ぶ。契約額や利用範囲は公表されていないため、これは金額の裏づけではなく、導入先の顔ぶれの記録になる。
4. 70億円はどう入ったか
資金の側を見る。ログラスの調達は、公表ベースではシード8,000万円(2020年7月)、シリーズA17億円(2022年4月)、シリーズB70億円(2024年7月)の3回だ。この3回が登記にどう現れたかを追うと、教科書どおりではない構造が出てくる。

まずシリーズAの17億円は、株式ではなかった。登記に残っているのは新株予約権──将来この会社の株式を受け取れる権利で、株式そのものではない──で、「第1a回J-KISS型 130個」と「第1b回 40個」。払込金額は1個あたり1,000万円で、170個で17.0億円ちょうどになる。株式ではないため、払い込まれた17億円は資本金にも資本準備金にも入らない。だから2020年4月期から2023年4月期まで、資本金は2,791万8,432円で止まったままだった。
この17億円は2024年7月5日に全部行使され、B2種優先株式1,965,200株へ姿を変えた。優先株式は、配当や会社を清算するときの分配で普通株式より先に扱われる条件をつけた株式で、未上場の資金調達で広く使われる。1株あたりの値段はおよそ865円。同じ日にシリーズBの投資家が払い込んだB1種優先株式の1,018円に対して、約85%の水準だった。
J-KISSでは、次の調達での価格から一定の割引を受けるか、あらかじめ決めた評価額の上限で計算するかの、低い方を転換価額にする条件が置かれるのが通例だ。ログラスの登記にも、その上限として150億円が記載されている。割引の側で計算すると1,018円の85%で866円、上限の側で計算すると865円。1円の差で上限が効き、2022年に先に資金を入れた投資家は、2年4か月後の株価より安い値段で株式を受け取った。
そしてシリーズBの70億円は、3回に分けて払い込まれた。2024年7月5日に23.0億円、7月31日に30.0億円、8月23日に17.0億円。いずれもB1種優先株式で、単価は3回とも1,018円で変わらない。
- 2,259,330株 × 1,018円 = 22億9,999万7,940円
- 2,946,955株 × 1,018円 = 30億0,000万190円
- 1,669,939株 × 1,018円 = 16億9,999万7,902円
- 合計 6,876,224株 × 1,018円 = 69億9,999万6,032円
公表された「70億円」と、登記から積み上げた額の差は 3,968円だった。
シリーズBは、Sequoia HeritageとALL STAR SAAS FUNDの2社による共同リードで、この2社を含む計14社が引き受けた。この構成について、CFOを務め2025年7月に取締役にも就任した人物が、自社のnoteでこう書いている。
この金額ですら、国内VCからのみの調達だけで乗り切るのは難しいと考えていました。(中略)10億円以上を投資できる国内投資家はかなり限られ
(note「海外投資家からの大型資金調達がもたらしたもの」、2025年1月17日)
同じ記事は、この調達で「経営上の選択肢はとても広がりました」と続く。2年で新規事業を10個立てるという宣言ができるようになった、とも書いている。§2の「2027年4月までに20以上」は、その調達と同時に置かれた目標だ。
最終クローズ時点(2024年8月23日)の全株式数ベースの推定評価額(上場企業の時価総額に相当)は、1株1,018円 × 26,200,353株で約267億円になる。この26,200,353株には、発行済の25,477,946株に加えて、その時点で残っていた新株予約権722,407株分を含めている。ただしこれは、B1種の払込単価を権利内容の異なる普通株式や他の種類株式にも一律に掛けた試算で、会社が公表した数字ではない。
なお、株式で集まったお金を登記から積み上げると、設立時の300万円から数えて累計およそ88.03億円になる。会社が発表している「累計100億円」はこれと定義が異なり、借入などエクイティ以外の調達を含むとみられる。2020年のシード8,000万円も、公表されているのは「ALL STAR SAAS FUND、日本政策金融公庫等より」という書き方で、株式と借入の内訳までは示されていない。
このほか2024年1月には、A種優先株式57,274株を1株873円で発行する小規模な増資(払込5,000万202円)が入っている。半年後のシリーズBの単価1,018円は、この873円の前段に置かれている。
5. 44.03億円を1億円にした
シリーズBの払込が終わった2024年8月23日、資本金は44億291万6,634円まで積み上がっていた。その7か月後、この数字は1億円になる。

減資(登記上の資本金を減らす手続きで、現金の流出を伴うとは限らない)の効力発生日は2025年3月31日。減った43億291万6,634円は消えるのではなく、その他資本剰余金という別の枠に移る。
この動きは突発的なものではない。会社は2025年2月18日に資本金の額の減少を公告しており、債権者が異議を述べる期間を置いたうえで、3月末に効力を発生させている。決算期末の1か月前という時期だ。
移し替えられた43.03億円の行き先も追える。第6期(2025年4月期)に26億3,099万9,917円、第7期に16億7,191万6,717円。2期に分けて累積損失の穴埋めに充てられ、ちょうど使い切っている。第6期末の貸借対照表に残っていたその他資本剰余金 16億7,191万6,717円は、第7期の填補額と1円まで同じ数字だ。
資本金1億円という水準は、法人税や地方税のいくつかの区分に使われる代表的な境目にあたる。もっとも、実際にどの扱いになるかは資本剰余金や株主構成、所得の規模などにも左右される。そしてこの減資が何のために行われたのかは、登記にも公告にも書かれていない。書かれているのは日付と金額だけで、そこから先は推測になる。
同じ時期に、ストックオプションの設計も組み替えられている。2025年3月11日、発行済だった第2回(177,785個)と第3回(430,075個)を全部消却した。同じ日に第5回として1,461,875個を発行している(うち85,600個はその後失効し、2026年6月時点の現存は1,376,275個)。この2週間後、同じ取締役が自社のnoteで制度の中身を説明している。信託型から税制適格へ、そこからさらに新しい設計へ。いまは3代目にあたり、行使価額は1円に置かれている。
6. いまの帳簿の形と、次の一年
第7期末の貸借対照表を、資産を支えている側から見る。

総資産52.61億円に対して、前受収益が22.87億円、借入金が25.30億円。純資産は▲2.24億円で、負債が資産を上回る債務超過になっている。
この債務超過は、減資や欠損填補によって生じた見かけのものではない。減資は資本金と資本剰余金の間の付け替えであり、欠損填補は資本剰余金と利益剰余金の間の付け替えで、どちらも純資産の合計額を1円も変えない。第7期に振れたのは、増資がないまま損失を計上したからだ。株主資本は32.90億円から▲2.59億円へ、ちょうど35.48億円ぶん減っている。純資産の▲2.24億円は、これに新株予約権0.35億円を足した数字だ。債務超過は第5期末(▲8.27億円)に続いて2度目になる。
直ちに支払いが行き詰まることを意味するわけではない。手元の現預金は40.71億円あり、負債の最大項目である前受収益22.87億円は、返済を求められる借金ではなく今後サービスを提供する義務だ。一方で、追加の損失を吸収する資本の余裕がない状態でもあり、借入の条件や次の調達の設計に影響しうる位置にある。
現金の動きも見ておく。第7期の1年で現預金は75.72億円から40.71億円へ、35.01億円減った。この期は増資がないので、減少はすべて事業と財務の結果だ。うち8.97億円は借入金の減少にあたる(34.27億円から25.30億円へ)。ただしこれは期中の新規借入と返済を相殺した後の数字で、実際にいくら返していくら借りたかは、公告にキャッシュフロー計算書がないので分からない。差し引き、事業と投資で出ていった現金はおよそ26.05億円になる。
手元資金があと何か月もつか、という問いには、公開資料だけでは答えが出ない。決算公告にキャッシュフロー計算書はなく、借入の実行と返済の内訳も満期の構成も分からないからだ。期末残高の減り方をそのまま先へ延ばす計算はできるが、そこには借入の返済も設備や保証金への支出も混ざっていて、事業が現金を使う速さとは別物になる。この1年で前受収益が10.20億円積み増していることも効く。契約が伸びるあいだ、入金は役務の提供に先行する。
公表されている資本関係の範囲では、単独の親会社や支配株主は確認できない。親会社が資金を差し入れる展開を前提には置けない、ということでもある。2025年5月以降、新たなエクイティ調達の発表は確認できない。上場についても「事業成長のために最も望ましいタイミングで」と述べるにとどまり、時期は公表されていない。
一方、統治のかたちは動いた。2025年7月30日、登記に取締役会設置会社と監査役設置会社の定めが新設されている。同じ日に監査役1名と取締役2名が就任し、取締役1名が退任して、取締役は3名になった。非設置の状態から取締役会と監査役を置いたことで、将来の資本政策に対応しやすい機関設計にはなった。ただし、これだけで上場準備がどの段階にあるかまでは分からない。
プロダクトは、いま名前が出ているだけでも経営管理・人員計画・IT投資管理・設備投資計画・AI IR・サクセスパートナーと広がった。計画に置かれた2027年4月は第8期の終わりで、次に出る決算公告はまさにその期を映す。そこで確かめられるのは、前受収益が22.87億円からどこまで伸びたか、そして今回使い切った資本剰余金の代わりに何が純資産を支えているか、の2点になる。
7. 計算方法
- 当期純損益は2つの経路で復元した。(a) 繰越利益剰余金の期末残高の差分に、資本剰余金による欠損填補があった第6期・第7期はその額を足し戻す。(b) 株主資本合計の増減から、登記の資本金の動き(増加額の2倍)で計算した払込額を差し引く。7期とも両者が1円まで一致する。第6期の公告には付記事項として当期純利益 ▲28億8,211万6,583円が記載されており、復元値と一致した。損益計算書そのものは7期ともに公告されていない。
- この2経路は配当の有無までは切り分けられない。第1期から第5期は配当に回せる剰余金がなく、第6期はその他資本剰余金の増減が資本金の減少と欠損填補だけで1円まで閉じるため配当の余地がない。第7期については、期首のその他資本剰余金 16億7,191万6,717円の全額が欠損填補に充てられたという前提を置いている。なお全期を通じて、公告の純資産の部に利益準備金と自己株式は現れない。
- 払込金額の推定に用いた「半額組入」の前提は、決算公告の原本で確かめた。設立時から減資の直前まで、資本金と資本準備金の差は一貫して300万円(設立時の払込を全額資本金に組み入れた分)で動かない。
- 1株あたりの価格は、登記の各種優先株式の内容に記載された基準価額(A種873円、B1種1,018円、B2種865円)を採った。A種の1回とB1種の3回は、株数との積が資本金の動きと1円まで一致する。B2種を含む2024年7月5日の回だけは、転換のもとになったJ-KISSの払込額を組み入れるため170円の差が出る。
- J-KISSの転換価額865円は、登記の条項(割引後の価格と、評価上限を転換直前の全株式数で割った額の低い方、小数点以下切上げ)から再現できる。150億円 ÷ 17,358,929株 = 864.1…→865円。1個あたり1,000万円 ÷ 865円の端数を切り捨てて11,560株、170個で1,965,200株となり、登記のB2種の発行数と一致する。
- 新株予約権は現存ベースで数えた。2024年8月23日時点は第2回177,785個・第3回430,075個・第4回114,547個の計722,407個で、いずれも1個あたり1株。第1回(2021年11月16日消滅)、2021年発行の第3回(2023年9月6日放棄)、J-KISS(2024年7月5日行使)は0として扱った。2026年6月時点は第4回114,547個・第5回1,376,275個・第6回396,485個・第7回17,000個の計1,904,307個。
- 従業員数は厚生労働省の社会保険適用事業所の被保険者数で、正社員数とは一致しない。第7期の1人あたり損失は、2025年5月〜2026年4月の月次被保険者数を単純平均した281.4人を分母にした。
- 数字はすべて単体・無連結。売上高・損益計算書の内訳・ARR・導入社数の絶対値は公開されていない。確認できた決算公告は第1期から第7期までで、これ以外に公告があっても収録できていない可能性がある。
参考にした主な外部情報
- 「海外投資家からの大型資金調達がもたらしたもの〜シリーズB 70億円調達を振り返る〜」(2025年1月17日)
- 「IPO前に行使可能!ログラス式ストックオプション」(2025年3月18日)
- 資金調達・プロダクト・拠点に関する各リリース(PR TIMES)
8. ファクトシート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社ログラス |
| 本店 | 東京都港区三田三丁目11番24号 |
| 設立 | 2019年5月30日 |
| 決算期 | 4月 |
| 代表取締役 | 布川友也 |
| 資本金 | 1億円(2025年3月31日変更) |
| 発行済株式 | 25,477,946株(普通株式・A種・B1種・B2種優先株式) |
| 従業員数 | 342人(2026年7月・社会保険の被保険者数) |
| 上場区分 | 非上場 |