先週の資金調達(2026年9月5日〜9月11日)— 地銀・信金系の投資会社・ファンドが7件に並んだ
2026年9月5日〜11日に確認できた未上場企業の資金調達は24件、金額判明14件で公表額計58.5億円、うち今回の調達額として発表された額は13件54.8億円。地銀・信金系の投資会社・ファンドが7件の引受先に並び、地元の会社にも東京の会社にも付いていた。

先週、資金調達を発表した企業は24社・24件。金額が示された14件の公表額の単純合算は58.5億円、中央値は2.35億円だった。このうち、今回の調達額として発表された額は13件・54.8億円。残る金額ありの1件・3.7億円は、過去のクローズ・実施分を含む額だった。いずれもこの週の入金額を表す数字ではなく、「約」を含む公表額の合算である。
最大は、プロ野球の電子トレカなどを手がけるHEARTBEATSの約23億円。出し手の顔ぶれでは、地銀・信金系の投資会社やファンドが7件に参加していた。新潟や浜松の会社だけでなく、東京の会計支援、空き家再生、風力発電、医薬品流通にも地域金融系の名前が並んだ。

| 会社(発表日) | 公表額とその範囲 | 事業・主な出し手 |
|---|---|---|
| SoVa(9月7日) | 6.3億円(今回の調達額として発表) | 会計業務の支援。ジャフコ グループ(JAFCO)、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、公庫など |
| スモール・プラネット(9月7日) | 金額は公表されていない | キャラクターグッズ・IP事業。ロッテホールディングス |
| ANRis(9月7日) | 約2.2億円(今回の調達額として発表) | siRNAによるがん治療薬の研究開発。早稲田大学ベンチャーズ、JST |
| BeyondUS(9月7日) | 金額は公表されていない | 遠隔医療・医療機関の業務支援。新潟の2つの地域ファンド |
| VALT JAPAN(9月7日) | 金額は公表されていない | 就労困難者向けの仕事づくり。NX、明治安田未来共創ファンド |
| 六興実業(9月7日) | 金額は公表されていない | 物流コストの可視化・業務改善。プロジェクトホールディングス |
| POLASTECH(9月8日) | 1.4億円(今回の調達額として発表) | 吸着式ヒートポンプ・吸着材。クラフティアイノベーションファンドなど |
| GeoDreams(9月8日) | 金額は公表されていない | 次世代地熱。SBIグループ |
| AXホールディングス(9月8日) | 3.7億円(過去のクローズを含む) | 子会社アキヤの空き家再生。Skyland Ventures、ごうぎんキャピタルなど |
| Aitane(9月8日) | 0.3億円(今回の調達額として発表) | 営業AI・AIグラス。飯田橋クロスパートナーズ |
| トコシエ(9月8日) | 金額は公表されていない | AIによる立体設計。East Ventures、個人投資家 |
| MILY(9月9日) | 金額は公表されていない | ライフデザインのコミュニティ。POLA ORBIS CAPITAL、個人投資家 |
| Interbeing(9月9日) | 約0.5億円(今回の調達額として発表) | 声の非言語情報を使う営業支援。カクイチ |
| アルバトロス・テクノロジー(9月9日) | 2.5億円(今回の調達額として発表) | 浮体式洋上風車。DBJ、住友重機械工業、ほくほくキャピタルなど |
| Pixeom(9月9日) | 金額は公表されていない | 分子の立体構造を扱う創薬AI。ライフタイムベンチャーズ |
| メドテリア(9月10日) | 1.4億円(今回の調達額として発表) | 医療現場のコミュニケーション。佐銀キャピタル&コンサルティング、公庫、個人投資家 |
| クリーンプラネット(9月10日) | 金額は公表されていない | 水素を使う熱エネルギー技術の事業化。ガスワンホールディングス |
| ミラーフィット(9月10日) | 2.5億円(今回の調達額として発表) | 女性専用ジム・運動コンテンツ。コシダカHD、One Capital、金融機関 |
| エクスペリサス(9月10日) | 2億円(今回の調達額として発表) | 高付加価値観光。日本政策金融公庫の融資 |
| nocall(9月11日) | 約8億円(今回の調達額として発表) | 生成AI電話。ジャフコ グループ、Archetype Ventures、Coreline Ventures |
| 9lione(9月11日) | 1.2億円(今回の調達額として発表) | 医薬品流通の改善。横浜キャピタルがリード |
| EdTechX(9月11日) | 金額は公表されていない | AIを使う個別英語教室。PKSHA Algorithm Fund |
| Blue Farm(9月11日) | 3.5億円(今回の調達額として発表) | 茶畑から生産・加工を管理する抹茶供給。地域金融系、鈴与商事など |
| HEARTBEATS(9月11日) | 約23億円(今回の調達額として発表) | プロ野球の電子トレカなど。アルテミスのファンドがリード |
9lioneはシリーズAのエクステンション(追加調達)として株式投資型クラウドファンディングでの募集を9月5日に開始しており、1.2億円はこれを含まない。
金額を読む際には、次の区別が必要になる。
| 公表額の扱い | 件数 | 合計 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 今回の調達額として発表された額 | 13件 | 54.8億円 | SoVa、ANRis、POLASTECH、Aitane、Interbeing、アルバトロス・テクノロジー、メドテリア、ミラーフィット、エクスペリサス、nocall、9lione、Blue Farm、HEARTBEATS |
| 過去のクローズ・実施分を含む額 | 1件 | 3.7億円 | AXホールディングス3.7億円 |
| 金額は公表されていない | 10件 | 合計に含めない | 上の一覧に記載 |
ANRis、POLASTECH、アルバトロス・テクノロジーは、発表が今回の資金調達額として示し、先行クローズへの言及がないため、54.8億円に含めた。一方、AXホールディングスは、2025年8月のファーストクローズ(出資受け入れの最初の締め)と今回のセカンドクローズを合わせて3.7億円と明示しており、今回分の金額は公表されていない。HEARTBEATSの約23億円は、2026年7月・8月に実施したシリーズCの新株発行分を9月11日に発表した額として、今回の調達額に含めた。
54.8億円もこの週の入金額ではない。Blue Farmの発表には3.5億円への到達とともに、ファイナルクローズは2026年9月末予定とある。今回の調達額として発表された額に含めたが、全額の払込完了を確認したという意味ではない。
大型案件 — 電子トレカ、AI電話、会計支援
HEARTBEATSは、シリーズCの第三者割当増資で約23億円を調達した。増資の実施は2026年7月と8月で、発表は9月11日であり、今回の調達額として発表された13件・54.8億円に含めた。既存株主から新規投資家への約2億円の株式譲渡は会社に入る資金ではないため、合計から外した。
リードはアルテミス1号ファンド。ほかに新規7社と既存6社が参加したが、その社名は公表されていない。発表では事業会社、事業会社CVC、金融機関VCと説明されている。同社は電子トレカサービス「ORICAL」の機能拡充に加え、新規パートナーの開拓、スポーツ・エンターテインメント領域の新しいプロダクト開発、組織の強化に資金を使うとしている。
nocallの今回の調達額は約8億円。ジャフコ グループとArchetype Venturesが共同リードを務め、既存投資家のCoreline Venturesも参加した。生成AI電話「nocall.ai」の開発と採用に充てる。電話を受けた人とのやり取りをAIが担うため、音声認識だけでなく、会話の応答を業務の流れに沿わせる開発が必要になる。発表で掲げた累計10億円超は、今回額には加えていない。
SoVaはシリーズBで6.3億円を調達した。株式による増資が2.1億円、みずほ銀行や日本政策金融公庫などからの融資等が4.2億円である。会計業務の支援から、試算表を基に経営者へ提案する「AI CFO」へサービスを広げる。独立系VC、銀行系の投資会社、貸し手が同じ発表に登場している。
地銀・信金系は、地元にも東京にも
地銀・信金系の投資会社・ファンドが参加したのは、次の7件である。銀行の融資そのものとは分け、株式などの引受先として名前が出た案件を数えた。
| 会社 | 所在地 | 参加した投資会社・ファンド等 | 金融グループ |
|---|---|---|---|
| SoVa | 東京都千代田区 | ちゅうぎんキャピタルパートナーズ | 中国銀行グループ |
| BeyondUS | 新潟県新潟市 | にいがたサステナブル地域創生ファンド | 第四北越キャピタルパートナーズが共同運営 |
| AXホールディングス | 東京都港区 | ごうぎんキャピタル | 山陰合同銀行グループ |
| アルバトロス・テクノロジー | 東京都中央区 | ほくほくキャピタル | 北陸銀行・北海道銀行グループ |
| メドテリア | 福岡県福岡市 | 佐銀キャピタル | 佐賀銀行グループ |
| 9lione | 東京都練馬区 | 横浜キャピタル | 横浜銀行グループ |
| Blue Farm | 静岡県浜松市 | 浜松磐田信用金庫・信金キャピタル/しんきんやらまいかのファンド | 信用金庫系 |
BeyondUSでは、新潟市を拠点とする遠隔医療・医療業務支援に、第四北越キャピタルパートナーズが共同運営するファンドが出資した。Blue Farmでは浜松の会社に浜松磐田信用金庫・信金キャピタルのファンド、メドテリアでは福岡市の医療コミュニケーション事業に佐賀銀行系の投資会社が参加している。
一方、残る4社は東京に所在する。地域金融系の引受先が付いていることと、投資先がその金融機関の地元にあることは、同じではない。今回の7件には、地元の事業とのつながりを持つ案件と、東京の事業へ参加する案件の両方があった。9lioneでは、横浜キャピタルがシリーズAのリード投資家を務めた。
北陸銀行は、ほくほくキャピタルと運営する「ほくほくイノベーション共創ファンド」について、「地域の枠を超えた日本全国のスタートアップへの出資を通じて、地域経済の発展をサポートします」と説明している。地域外への投資自体を例外と見る必要はない。地銀系VCには、すでに地元企業だけに投資先を限らないファンドがある。北陸銀行「スタートアップへのエクイティファイナンス」
公的な貸し手も登場した。日本政策金融公庫の融資・資本性ローンが確認できるのは3件で、SoVa、メドテリア、エクスペリサスである。日本政策投資銀行(DBJ)はアルバトロス・テクノロジーの増資を引き受けた。
| 会社 | 公表額の内訳 | 読む際の区別 |
|---|---|---|
| SoVa | 株式2.1億円+融資等4.2億円=6.3億円 | 融資等を株式と分けられる |
| メドテリア | 株式1.0億円+公庫の資本性ローン0.4億円=1.4億円 | 資本性ローンは株式ではなく借入 |
| ミラーフィット | 出資と融資を合わせて2.5億円 | 株式と借入の配分は公表されていない |
| エクスペリサス | 公庫からの新株予約権付融資(将来株式を取得できる権利が付いた借入)2.0億円 | 別途のみずほ銀行の当座貸越枠2.0億円は合計外 |
エクスペリサスの当座貸越枠は、借りられる上限であって実行済みの借入額ではない。メドテリアの資本性ローンも、株式による増資と混ぜて数えない。資金の出し手を見るときには、投資家として関わるのか、貸し手として関わるのかも合わせて読む必要がある。
出資者が、事業を進める相手でもある
Interbeingに約0.5億円を出資したカクイチは、営業現場で同社の音響解析技術を使う相手でもある。会話の内容に加え、声の張りや間といった非言語情報を営業支援に使う。同社の技術をカクイチの現場で試し、事業連携を進めるという関係が、今回の出資に結び付いている。
クリーンプラネットへのガスワンホールディングスの出資では、水素供給体制の構築が提携の柱となる。アルバトロス・テクノロジーと住友重機械工業は浮体式洋上風車の開発、POLASTECHと柴田熔接工作所は熱利用の装置開発で協力を進める。資金に加えて、供給・製造・実証に関わる相手が引受先にいる。
スモール・プラネットへのロッテホールディングスの出資は、キャラクターグッズやイベントなどのIP事業を結ぶものだ。VALT JAPANへのNXの出資は、就労困難者が担う仕事を物流分野にも広げる連携につながる。六興実業には、プロジェクトホールディングスが物流領域での業務改善を見込んで出資した。金額が公表されていない案件にも、調達後に何を進めるかが具体的に書かれている。
大学との関係も一様ではない。ANRisの引受先には早稲田大学ベンチャーズとJSTが並ぶ。Pixeomは大分大学発で、分子の立体構造を扱うAIの研究開発を進めるが、今回名前が出たリード投資家はライフタイムベンチャーズだ。「大学発の会社」と「大学系の出資者がいる会社」は区別している。
出し手の属性マトリクス
出し手を、独立系VC、事業会社・CVC、金融系、大学系、政府系・公的、個人に分けた。●は、その属性の出し手が発表で確認できることを示す。複数の属性に当てはまる案件は、それぞれに数える。出資額の配分や、どの出し手が中心かを表すものではない。
| 調達した会社(形) | 独立系VC | 事業会社・CVC | 金融系 | 大学系 | 政府系・公的 | 個人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SoVa(シリーズB・増資+融資等) | ● | ● | ● | |||
| スモール・プラネット(第三者割当増資) | ● | |||||
| ANRis(出資) | ● | ● | ||||
| BeyondUS(第三者割当増資) | ● | ● | ||||
| VALT JAPAN(出資) | ● | ● | ● | |||
| 六興実業(出資) | ● | |||||
| POLASTECH(Seed2・第三者割当増資) | ● | ● | ● | |||
| GeoDreams(プレシリーズA・第三者割当増資) | ● | |||||
| AXホールディングス(レイトシード・セカンドクローズ) | ● | ● | ● | |||
| Aitane(プレシリーズA) | ● | |||||
| トコシエ(出資) | ● | ● | ||||
| MILY(第三者割当増資) | ● | ● | ||||
| Interbeing(第三者割当増資) | ● | |||||
| アルバトロス・テクノロジー(プレシリーズB・第三者割当増資) | ● | ● | ● | ● | ● | |
| Pixeom(シード) | ● | |||||
| メドテリア(増資+資本性ローン) | ● | ● | ● | |||
| クリーンプラネット(第三者割当増資) | ● | |||||
| ミラーフィット(出資+融資) | ● | ● | ● | |||
| エクスペリサス(新株予約権付融資) | ● | |||||
| nocall(シリーズA) | ● | |||||
| 9lione(シリーズA) | ● | |||||
| EdTechX(シード) | ● | |||||
| Blue Farm(シリーズA・第三者割当増資) | ● | ● | ||||
| HEARTBEATS(シリーズC・第三者割当増資) | ● | ● | ● |
事業会社・CVCは13件、独立系VCと金融系は各11件。大学系は2件、政府系・公的と個人は各5件だった。

属性は本稿の分類で、ファンドの運営主体・親会社に加え、ファンドへの出資者(LP)の属性も考慮している。BeyondUSでは共同運営者のTryfunds Investment、VALT JAPANではグローバル・ブレイン、POLASTECHではSpiral Innovation Partnersを独立系VCに含めた。日本政策金融公庫とDBJは政府系・公的に置き、金融系とは重複させていない。
東海研究開発1号(無限責任組合員のCentral Japan Innovation Capitalは東海国立大学機構の認定VC)は大学系に置いた。
「金融系」には銀行・保険会社等の直接の融資・出資のほか、金融グループ傘下の投資会社・CVC、金融機関をスポンサー(LP)とするファンドを含む。VALT JAPANは明治安田生命が有限責任組合員の明治安田未来共創ファンド、GeoDreamsは発表が「SBIグループ」としか示していないため金融系に置いた。
HEARTBEATSの匿名の出資者と、ミラーフィットの匿名の貸し手は、発表が属性を明記しているため含めた。既存株を譲り受けたSoVaの個人株主、9lioneの過去の投資家、融資枠だけが示されたエクスペリサスのみずほ銀行は、今回の資金供給者として数えていない。空欄は、その属性の出し手が存在しないことの証明ではない。
調達の前に、登記は動いていたか
掲載した24社のうち、直近1年の商業登記の受付記録を確認できたのは15社。資本金の増加を含む受付が発表に先行していたのは6社だった。
ANRisは5月13日、BeyondUSは6月12日、GeoDreamsは4月6日、ミラーフィットは7月3日、HEARTBEATSは7月31日、クリーンプラネットは6月11日に、資本増の受付がある。日付はいずれも2026年である。

HEARTBEATSの資本増受付は、同社が増資の実施時期として示した7月・8月の期間内にある。ただし、受付情報だけでは引受先や金額は分からず、今回の調達との対応は断定できない。他の会社でも、過去の別の増資が含まれる可能性がある。
ミラーフィットとGeoDreamsの受付には、資本増と資本減の両方が記されている。クリーンプラネットには資本増の後に資本減の受付もある。資本金の減少は、その額の現金が会社から流出したことを意味しない。受付の有無や種類から、調達額や財務の改善・悪化を直接読み取ることはできない。
発表より先に資本金増加の登記が受け付けられていた社数は、この連載では7月27日週6社、8月1日週4社、8月15日週5社、8月22日週5社、8月29日週10社、今週6社だった(8月8日週は記載なし)。
Compalyzeのデータで見る
2026年9月時点の月次データで、社会保険の被保険者数を確認できたのは23社だった(取得日:2026年9月2日)。スモール・プラネットが349人、HEARTBEATSが156人、SoVaが79人となっている。一方、発表にはHEARTBEATSの従業員数は2026年9月時点で177名(うち正社員122名)、スモール・プラネットは2026年5月15日現在で362名と記載されている。被保険者数は会社ページに掲載している厚労省の社会保険の月次データを用いた。発表の従業員数とは集計範囲・定義が異なり、スモール・プラネットは時点も異なる。

MILYは1人、BeyondUSは2人だった。Pixeomは月次データに記録がなく、2026年9月時点で社会保険の加入者は確認できない。Interbeingの0人は取得できた値であり、未取得とは区別した。社会保険の適用範囲や収録できた事業所に限られるため、会社全体で働く人がいないという意味ではない。
決算公告は13社で確認できた。下の表は、それぞれ確認できた最新の決算期末を載せている。公告日とは区別し、金額は億円単位に丸めた。
| 会社 | 決算期末 | 公告日 | 純資産(億円) | 総資産(億円) |
|---|---|---|---|---|
| SoVa | 2023/08/31 | 2024/07/30 | 1.78 | 2.33 |
| VALT JAPAN | 2025/07/31 | 2025/11/26 | 2.75 | 7.59 |
| 六興実業 | 2024/09/30 | 2025/08/19 | 0.33 | 0.63 |
| GeoDreams | 2024/12/31 | 2026/01/22 | 0.54 | 4.68 |
| AXホールディングス | 2025/05/31 | 2025/11/26 | 0.30 | 0.39 |
| アルバトロス・テクノロジー | 2025/09/30 | 2026/07/16 | 1.74 | 1.90 |
| クリーンプラネット | 2025/06/30 | 2026/05/21 | ▲4.67 | 1.00 |
| ミラーフィット | 2025/06/30 | 2025/10/20 | 2.00 | 2.73 |
| エクスペリサス | 2025/05/31 | 2025/10/15 | 1.83 | 4.39 |
| nocall | 2022/08/31 | 2023/10/09 | ▲0.04 | 0.02 |
| 9lione | 2025/06/30 | 2026/07/15 | 1.06 | 1.20 |
| Blue Farm | 2024/06/30 | 2024/09/06 | 0.29 | 0.30 |
| HEARTBEATS | 2024/10/31 | 2025/01/16 | 0.66 | 5.58 |
図では、クリーンプラネット1社の決算期末・公告日・今回の調達発表の間隔を示した。確認できた最新の2025年6月期は、純資産▲4.67億円だった。

これらは過去の決算期末の残高である。今回の調達額を古い純資産に足して、現在の純資産や債務超過の解消を推定することはできない。その間の損益や別の資本取引を含む、新しい決算の確認が必要になる。
資金が入る前段階・別建ての動き
**新会社設立(グループ内)**として、Algomatic Dynamicsが合同会社DMM.comから50億円の資金調達を発表した。同社は2026年4月27日設立。ロボティクスとフィジカルAIを軸に、ハードウェアや計算資源へ投資する。グループ内の新会社への出資として別建てで扱い、24件の件数、金額の合計・中央値、出し手の属性表には含めていない。
オーシーのDPO(直接公募)は募集の予告で、申込期間は9月16日〜30日、払込期日は10月6日となっている。成立した資金調達としては数えていない。上場企業の子会社への払込前の出資、親会社によるグループ内増資も集計から外した。
この週をどう読むか
公表額ではHEARTBEATSが最大で、2026年7月・8月に実施した新株発行分の約23億円を9月11日に発表したものとして、今回の調達額に含めた。58.5億円を、今回の調達額として発表された13件・54.8億円と、過去のクローズ・実施分を含む1件・3.7億円に分けて読む必要がある。54.8億円も、この週の入金額を示すものではない。
出し手では、地銀・信金系が7件に並んだ。地元の医療や茶業と結び付く出資も、東京の会社への出資もあった。これだけで地域金融全体の投資姿勢が変わったとは言えないが、今回の発表には、貸し手だけではない地域金融の関わり方が表れている。この7件だけでは、投資収益、地元企業とのマッチング、将来の融資先づくり、技術還流といった目的まで分類できない。地域金融系VCの投資先を累積すれば、地元投資と全国投資の比率が見えてくる。
事業会社が出資先の製品を使い、供給網や営業現場を提供する案件もあった。調達額に加え、引受先が開発・実証・供給・販路のどこに関わるかを見ると、資金を受けた会社が次に進めようとしていることが見えやすくなる。
この連載が扱う範囲
この連載は、未上場企業が外部から資金を受け入れることを公表した発表を対象にしている。株式による出資のほか、融資や資本性ローンも含める。したがって58.5億円は公表額の合計であって、この週に入金された額ではない。週の区切りは土曜0時00分から翌土曜0時00分まで(日本時間)で、発表日で区切っている。払い込みや契約の実行日がその前であっても、発表がこの週にあれば含める(HEARTBEATSの増資は2026年7月・8月に実施。VALT JAPANはNXが8月24日に資本業務提携契約を締結)。
次のものは資金調達として扱っていない。
- 上場企業自身の調達と、海外法人の調達(この週はグローム・ホールディングスが引き受ける米SunPower、Newsight Tech Angelsが出資したスペインのAptadel、ピクシブが出資した米VRChat、RS Technologiesの中国子会社GRITEKがこれにあたる)
- 補助金や支援事業への採択(3件)
- 募集の開始(DPOの募集予告。1件)。9lioneのエクステンション募集も成立前のため件数に入れない
- 上場企業の100%子会社への親会社増資(積水化学工業からセキスイハイムへの増資)と、上場企業グループの子会社に対する払い込み前の出資(栃木銀行からおむすび那須への出資)
- 子会社化を目的とした増資の引受け(ペンギンが工藤羊肉店の80%を取得する第三者割当増資)
- 既に計上した案件の続報(JCCLのシリーズB 1stクローズは、前々週の8月27日の大日本印刷による出資発表で計上済み。倉元製作所の子会社KURAMOTOペロブスカイトの契約締結・条件変更は、8月31日開示に続く発表)
- 補助金申請サポートの告知
グループ内の新会社設立への出資(Algomatic Dynamics)は別建てで触れ、件数・金額の合計・出し手の属性表から外した。トコシエには米国本社設立の説明があるが、発表主体の株式会社トコシエ(日本法人)の発表として掲載した。調達した米国の主体と日本法人の法的な同一性は、発表からは確定できない。
金額は、その発表で今回の調達に係るものとして示された額のみを合計する。累計調達額(nocallの10億円超、9lioneの4.4億円、Blue Farmの4.6億円、ミラーフィットの約12億円、メドテリアの2.4億円、アルバトロス・テクノロジーの約7.7億円)、DPOの目標額、エクスペリサスのみずほ銀行の融資枠2億円、HEARTBEATSのセカンダリー(既存株の売買)約2億円は合計に入れていない。金額判明14件は、今回の調達額として発表された13件・54.8億円と、過去のクローズ・実施分を含む1件・3.7億円に分けた。ANRis・POLASTECH・アルバトロス・テクノロジーは、今回の資金調達額として示され、先行クローズへの言及がないため前者に含める。後者のAXホールディングスは2025年8月のファーストクローズと今回のセカンドクローズの合計3.7億円。HEARTBEATSの約23億円は2026年7月・8月に実施したシリーズCの新株発行分を9月11日に発表した額として、前者に含めた。54.8億円もこの週の入金額ではない。Blue Farmは9月末にファイナルクローズを予定しており、公表額の全額について払い込みの完了を確認したものではない。会社概要欄に記載された資本金の額は、調達額として扱わない。公表額には「約」付きの概算が含まれるため、合計も概算である。
なおこの週の集計では、複数の発表をまとめた案件や、同じ提携・増資の発表を重複計上しなかった案件がある。BeyondUSは引受先ファンドの異なる本人発表2本、VALT JAPANは出資側2者(NX・明治安田未来共創ファンド)の発表を、それぞれ1件として数えた。六興実業は出資側のプロジェクトホールディングスの発表を採用し、本人発表は同一提携として重複計上していない。Interbeingは本人発表を採用し、出資側のカクイチの発表は重複計上していない。アルバトロス・テクノロジーは増資発表を採用し、資本業務提携の発表2本(本人・住友重機械工業)は件数に足していない。
スモール・プラネット・六興実業・VALT JAPANは出資側の発表に金額の記載がなく、確認した範囲では調達側による金額の公表も見当たらなかった。