先週の資金調達(2026年9月26日〜10月2日)— 公表の今回額に10億円超なし、事業会社と地域金融系が並ぶ
9月26日〜10月2日に確認した資金調達の発表は38件・38社。今回の調達額として発表された額は17件・56.03億円、中央値2.82億円で、10億円超はなかった。金額非公表16件、累計のみ5件。事業会社・CVCと地域金融系が出し手に並ぶ。

9月26日(土)〜10月2日(金)に当社が確認した資金調達関連の発表は38件・38社。今回額を確認できた17件の最大はLeafeaの10億円で、10億円を超える案件はなかった。金額非公表は16件と掲載案件の約4割を占め、これとは別に累計額だけを示した案件が5件あった。
今回の調達額として発表された額(融資枠と、増資・株式譲渡の内訳が分からない案件を除く)は17件・56.03億円。金額が判明した17件の中央値は2.82億円だった。この合計はこの週の入金額を示すものではない。
出し手には事業会社・CVCが23件、金融系が14件で登場する。地域金融機関の関わり方も、投資会社・ファンドを通じた出資、融資、私募債の引受けに分かれた。原則として発表で名称または属性を確認できた範囲の件数で、重複を含む。うちLive Searchの1件は、貸し手名・属性の記載がない融資案件として金融系に含めた。非公表の参加者を含めた構成は分からない。金額だけでなく、誰がどの形で関わったかを読む週である。
集計サマリ

| 会社(発表日) | 公表額とその範囲 | 事業・主な出し手 |
|---|---|---|
| ブリッジスマイル(9月28日) | 8億1,900万円。第三者割当増資等 | 家電・住設機器などの設置支援。かんぽNEXTパートナーズ、モバイル・インターネットキャピタル、PARTNERS FUNDほか |
| Live Search(9月28日) | 累計12億円・今回額の集計外 | 不動産の物件撮影・データ流通。みなと投資2号ファンド、融資(貸し手の記載なし) |
| Smolt(9月28日) | 約2億円。第三者割当増資 | 高温耐性サクラマスの育種・種苗供給。mint、サムライインキュベート、ANOBAKA、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ |
| LOMBY(9月28日) | 3.87億円。第三者割当増資 | 自動配送ロボット。マーキュリアインベストメント、DRONE FUND、スズキ、たましん-SNETI、キャナルベンチャーズ、Nabtesco Technology Ventures |
| PURMX Therapeutics(9月29日) | 金額非公表 | マイクロRNAによる創薬。日本触媒が第三者割当増資を引受け |
| WAYFARER(9月29日) | 金額非公表 | ホテル運営とAI基盤。Canon Marketing Japan MIRAI Fundがリード |
| 京都丹後企画(9月29日) | 3,000万円。少人数私募債 | 丹後のまちづくり。飯尾醸造、ウエダ本社、クスカ、高岡建材など地域の企業・個人が賛同 |
| トレポータル(9月29日) | 約6,700万円。第三者割当増資 | 推し活グッズの交換・売買アプリ。千葉道場ファンド、Co-Founder Fund、個人投資家 |
| knewit(9月29日) | 累計2.9億円・今回額の集計外 | デリバリー・物流の業務支援。KUSABI 1号投資事業有限責任組合 |
| LEBO ROBOTICS(9月30日) | 金額非公表 | 風車ブレードの保守ロボット。Abies Ventures Fund I、たましま地域活性化投資事業有限責任組合 |
| M2X(9月30日) | 金額非公表 | 設備保全管理システム。東京海上日動火災保険が第三者割当増資による出資 |
| レグミン(9月30日) | 2,002万円。第三者割当増資 | 自律走行型農薬散布ロボット。ミークが第三者割当増資を引受け |
| WED(9月30日) | 金額非公表(Skyfall引受分4,999万8,960円は開示あり) | レシートデータ事業。グローバル・ブレイン、TOPPANホールディングス、ギフティ、Skyfall |
| ボルテックス(9月30日) | 3億円。私募債 | 区分所有オフィス等。山形銀行が私募債の引受人・財務代理人 |
| mutex(9月30日) | 2億8,160万円。第三者割当増資 | AIレセプト業務支援「Reze」。エムティーアイ、MEDIPAL Innovation、日本経営 |
| YH JAPAN(9月30日) | 金額非公表 | ゴルフウェア「UTAA」の国内展開。プロラボホールディングスが増資を引受け、9月10日払込完了 |
| ProAttend(9月30日) | 金額非公表 | 会計・財務のプロ人材とM&A支援。企業経営者・事業承継経験者・士業等の個人投資家 |
| BlueWX(9月30日) | 金額非公表 | AI気象予測。フィデアキャピタルが第三者割当増資を引受け |
| イーグリッド(9月30日) | 金額非公表 | ソフトウェア開発・DX支援。アイテック阪急阪神による第三者割当増資の引受け完了 |
| Aitane(9月30日) | 金額非公表 | 営業AIエージェント。シャノン合同会社が第三者割当増資の引受先 |
| アドバンスコンポジット(9月30日) | 金額非公表 | 金属基複合素材。東亜電気工業から出資 |
| WAKA(9月30日) | 累計5億円・今回額の集計外 | Robloxのゲーム開発・運営。TOKIの出資、みずほ銀行・北國銀行の融資 |
| キビテク(9月30日) | 約6億円。第三者割当増資 | ロボット制御ソフトウェア「HATS」。JIC系と住商ベンチャー・パートナーズのファンド |
| インターホールディングス(9月30日) | 累計約7億円・今回額の集計外 | 真空技術による食品保存・流通。アグリビジネス投資育成、あきぎんNEXT、NOBUNAGA Raise、かんしん系ファンドほか |
| Pop Mint(9月30日) | 5,000万円。第三者割当増資 | キャラクターを使う商品・企画。EX Innovation Fund |
| 田村ビルズグループ(9月30日) | 1億円。私募債(発行日8月17日) | 建築・不動産、環境リサイクル。佐賀銀行のSDGs私募債 |
| Leafea(10月1日) | 10億円。手法・引受先の記載なし | 福利厚生サービス。シリーズBの1stクローズ |
| こむぎの(10月1日) | 3.6億円。第三者割当増資 | 飲食ブランドの再生・展開。西武しんきんキャピタル、ひびしんキャピタル、事業会社・個人ほか |
| GX MINERALS(10月1日) | 約4.6億円。株式+借入 | 高機能フィラー「DIA」。NEX-T Tokai Innovation Fund、岡崎信用金庫、三井住友銀行、個人・法人 |
| GlobalB(10月1日) | 金額非公表 | ノーコード業務アプリ「LITONE」。再春館システムが出資実施を発表 |
| wakai(10月1日) | 累計3億円・今回額の集計外 | オンライン紛争解決サービス。手法・引受先の記載なし |
| JAOPS(10月1日) | 2.6億円。シード | 衛星・宇宙ミッションの運用。UntroD Capital、Midtown Frontier Fund |
| DoIT(10月1日) | 金額非公表 | 企業のAI導入支援。AIO総研が第三者割当増資を引き受けたと発表 |
| AIBORN(10月1日) | 金額非公表 | 医療記録AI「カタナシ」。メディカル・データ・ビジョンから出資 |
| スペクトロニクス(10月1日) | 5.18億円。第三者割当増資 | 短波長・超短パルスレーザ。ジャフコ、ニッセイ・キャピタル、ゆうちょSpiral、JM、DBJ、中信、NOBUNAGA Growing各ファンド |
| Contents X(10月2日) | 金額非公表 | 企業向けコンテンツ制作・営業支援。アソビシステムが第三者割当増資の引受先 |
| MOT(10月2日) | 金額非公表 | 漫画家のマネジメントと漫画事業。DBJキャピタルがリード、松竹ベンチャーズのファンドが参加 |
| DriveX(10月2日) | 約1.5億円。手法の記載なし | 製造業向け生産計画AI。事業会社・個人投資家(名称非公表) |
一覧は発表日順。同日の並びは金額順位を示さない。「金額非公表」はラウンド全体の今回額を確認できない案件を指し、累計のみの5件とは分けた。Leafeaは今回額10億円が判明しているため、金額非公表には含めない。Leafeaとwakaiはいずれも手法・引受先の記載なし。DoIT本人の10月1日付発表は基本合意のみを記すが、出資側のAIO総研は同日、第三者割当増資を引き受けたと完了形で発表した。
1stクローズは、同じラウンドを複数回に分けて受け入れるうちの最初の区切りを指す。CVCは、事業会社が設ける投資ファンド・投資会社を指す。
| 公表額の扱い | 件数 | 金額・対象 |
|---|---|---|
| 今回の調達額として発表された額(融資枠と、増資・株式譲渡の内訳が分からない案件を除く) | 17件 | 合計56.03億円。この週の入金額を示すものではない。金額が判明した17件の中央値は2.82億円 |
| 累計表記のみで今回額を分離できない | 5件 | Live Search 12億円、knewit 2.9億円、WAKA 5億円、インターホールディングス約7億円、wakai 3億円。今回額の集計外・別掲 |
| 金額非公表 | 16件 | 累計のみの5件を除く。0円として平均や中央値へ入れない |
累計と今回額の単純合算は示さない。LOMBYなど、今回額とは別に累計額も発表した会社は、今回額だけを一度加算している。
Compalyzeのデータで見る
決算公告――18社の各決算期末を確認
掲載38社のうち、Compalyzeの収録分で決算公告を確認できたのは18社だった。下表は各社の最新収録期で、いずれも各決算期末の値である。公告日や今回の調達時点の財務状態ではない。
| 会社 | 最新収録の決算期 | 純資産(億円) | 総資産(億円) |
|---|---|---|---|
| Live Search | 2025年8月期 | ▲1.9 | 2.0 |
| Smolt | 2024年6月期 | 0.24 | 0.44 |
| LOMBY | 2024年3月期 | 0.37 | 0.50 |
| PURMX Therapeutics | 2025年12月期 | 0.53 | 1.8 |
| WAYFARER | 2021年12月期 | 0.30 | 0.45 |
| knewit | 2025年9月期 | ▲0.11 | 0.34 |
| LEBO ROBOTICS | 2025年10月期 | 2.0 | 2.4 |
| レグミン | 2024年12月期 | 0.50 | 1.8 |
| WED | 2019年12月期 | 1.9 | 2.5 |
| mutex | 2024年12月期 | 0.28 | 0.74 |
| イーグリッド | 2021年10月20日 | 1.3 | 3.8 |
| アドバンスコンポジット | 2024年3月期 | ▲1.5 | 8.4 |
| キビテク | 2025年10月期 | 3.0 | 5.8 |
| インターホールディングス | 2025年2月期 | 0.61 | 1.3 |
| Leafea | 2025年6月期 | 2.8 | 3.7 |
| GX MINERALS | 2024年6月期 | 0.02 | 0.09 |
| wakai | 2025年10月期 | ▲0.16 | 0.59 |
| スペクトロニクス | 2026年3月期 | 3.1 | 7.8 |
Live Search、knewit、アドバンスコンポジット、wakaiは、それぞれ表に示した決算期末に純資産がマイナスで、負債が資産を上回っていた。今回の調達を加えて現在の純資産を求めることはできない。決算期の古い会社もあり、その後の損益や資本取引を表からは追えないためだ。
残る20社の公告が存在しないという意味ではない。今回は収録済みの決算公告だけを用い、外部の公告で補ってはいない。
社会保険の被保険者数――36社を確認、前年同月値は33社
社会保険の月次KPIは36社で確認でき、33社には前年同月値もある。2026年9月時点の取得日は9月2日、前年の2025年9月時点も取得日は9月2日。主な会社と欠損・ゼロの例を並べる。
| 会社 | 2026年9月時点 | 2025年9月時点 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ボルテックス | 918人 | 789人 | +129人 |
| イーグリッド | 128人 | 126人 | +2人 |
| Live Search | 98人 | 66人 | +32人 |
| 田村ビルズグループ | 95人 | 78人 | +17人 |
| WAYFARER | 91人 | 76人 | +15人 |
| Leafea | 33人 | 8人 | +25人 |
| 京都丹後企画 | 17人 | 4人 | +13人 |
| レグミン | 12人 | — | — |
| YH JAPAN | 0人 | 0人 | +0人 |
| Contents X | 加入者を確認できない | — | — |
| DoIT | 加入者を確認できない | — | — |

Leafeaは8人から33人、京都丹後企画は4人から17人、Live Searchは66人から98人だった。これらは調達発表より前に取得した値であり、今回の資金による採用成果とは結び付けられない。
Contents XとDoITは加入者を確認できない。レグミン、Pop Mint、AIBORNの前年同月値はなく、0人や増減なしとは扱わない。一方、YH JAPANの0人は収録されている値で、欠損とは区別する。人数の基準時点は取得日より前の月次の値であり、社会保険の適用事業所の集計は社員数全体や採用数と一致するとは限らない。
調達発表企業の過去1年の登記受付履歴
2025年10月3日〜2026年10月2日の収録分では、30社・63記録の登記受付を確認できた。資本金増加を含む受付は11社・17記録で、11社とも少なくとも1回の受付が今回の発表に先行していた。
| 資本金増加の受付があった会社 | 受付日(すべて2026年) |
|---|---|
| Live Search | 6月15日 |
| 京都丹後企画 | 7月13日 |
| knewit | 6月4日 |
| M2X | 2月9日 |
| アドバンスコンポジット | 5月12日、6月25日 |
| WAKA | 4月7日 |
| インターホールディングス | 6月8日、7月6日 |
| こむぎの | 3月6日、3月25日、5月27日 |
| GX MINERALS | 2月3日、3月13日 |
| GlobalB | 2月12日 |
| wakai | 2月6日、4月6日 |

図は資本金増加以外に、新株予約権、役員変更などの受付も示した。受付情報から分かるのは日付と種類までで、登記完了や払込額を示すものではない。過去の別の増資に対応している可能性もあり、今回の調達との対応は確定できない。8社は対象期間の受付を確認できなかったが、受付が収録されていないことは、登記が行われていないことを意味しない。
事業会社と地域金融系が並ぶ調達
今回額が最大のLeafeaと、出し手を示したブリッジスマイル
Leafeaは、シリーズBの1stクローズで10億円を調達した。同じラウンドを複数回に分けて受け入れるうちの最初の区切りで、続く2ndクローズも予定する。福利厚生サービスのプロダクト開発や、パートナーとの連携を支える運用基盤へ投資する。
今回の発表は手法・引受先の記載なし。発表が挙げる金融機関・保険会社などとの戦略的な提携は、次のクローズに向けた想定である。その名前や属性を今回の出し手として数えることはできない。
ブリッジスマイルの今回額は8億1,900万円。タイトルの「8.2億円」ではなく、本文の円単位の額を採った。家電や住宅設備を買った後の設置予約、職人の手配、品質管理などを支える仕組みを開発する。かんぽNEXTパートナーズなどの金融系、モバイル・インターネットキャピタルなどの独立系VC、INNOVATION V Capitalなどの事業会社・CVCが引受先として並ぶ。
発表の手法は「第三者割当増資等」。株式を特定の相手に発行して資金を受け入れる増資が含まれるが、「等」の内訳は示されていない。8億1,900万円全体を株式による調達額とは断定しない。
ロボット・素材は、制御ソフトと量産体制へ
キビテクは約6億円を第三者割当増資で調達した。異なるメーカーのロボットを統合制御する「HATS」の開発・販売体制を強化する。引受先はJICベンチャー・グロース・ファンド2号と、住商ベンチャー・パートナーズが運営するSVPオープンイノベーションファンド1号。政府系・公的と事業会社・CVCが組み合わさる。
スペクトロニクスは、シリーズFの追加調達として5.18億円の第三者割当増資を実施した。短波長・超短パルスレーザの量産体制への移行・強化や国内外の事業展開に充てる。発表に記載された2024年12月の4.8億円は今回額に足さない。
GX MINERALSは、高機能フィラー「DIA」の特殊グレード開発、品質保証、知的財産の権利化へ約4.6億円を調達した。これは株式と借入の合計で、NEX-T Tokai Innovation Fund、岡崎信用金庫、三井住友銀行に加え、個人株主・法人も発表に登場する。
LOMBYは、自動配送ロボットの量産体制と国内の特定地域への集中配置に向け、3.87億円の第三者割当増資を実施した。マーキュリアインベストメントがリードし、スズキなどの事業会社、たましん-SNETI投資事業有限責任組合も参加した。最終クローズは8月31日で、9月28日は発表日である。
レグミンへのミークの出資は2,002万円。ミークの適時開示は第三者割当増資の引受けによる株式取得と、9月30日の取得日を明記する。農薬散布ロボットを手がける会社への新株引受けであり、既存株主からの株式取得とは区別する。
地域の食、医療、宇宙運用を支える調達
こむぎのは、老舗博多うどん「うちだ屋」の再生と「牛たんの檸檬」の全国展開を進め、3.6億円の第三者割当増資を完了した。西武しんきんキャピタル、ひびしんキャピタルに、事業会社、独立系の投資会社、個人が加わる。
mutexは2億8,160万円を調達し、診療報酬明細書の請求業務を支援する「Reze」の開発と有償導入先の拡大へ投じる。エムティーアイ、メディパルホールディングスのCVCであるMEDIPAL Innovation、日本経営が第三者割当増資の引受先である。現在は請求前の点検を中心に一部の業務を支援しており、完全自動化は今後の開発目標だ。
JAOPSは、UntroD CapitalとMidtown Frontier Fundを引受先とするシードで2.6億円を調達した。衛星や宇宙ミッションの運用を支えるツール・シミュレーターの開発と、初のミッションコントロールセンターの構築に充てる。発表に示された円建ての額を採用し、併記された米ドル相当額は足していない。
Smoltは約2億円を調達し、高温耐性サクラマスや魚卵の生産拠点を広げる。mintをリード投資家に、サムライインキュベート、ANOBAKA、ちゅうぎんキャピタルパートナーズを引受先とする第三者割当増資だ。DriveXの約1.5億円は、製造業向け生産計画AIの開発・導入支援と採用に充てる。事業会社・個人投資家からの調達だが、個別名と手法は記載されていない。
推し活をめぐる2件と、地域の企業・個人が賛同する私募債
トレポータルは約6,700万円の第三者割当増資を実施した。ファン向けグッズ交換・売買アプリの開発、採用、コンテンツ保有企業との連携を進める。千葉道場ファンド、Co-Founder Fund、個人投資家が参加し、実施時期は8月と記載されている。
Pop Mintは、EX Innovation Fundを引受先とする第三者割当増資で5,000万円を調達した。漫画・アニメ・ゲームなどのキャラクターを使った企画に加え、自社のコンテンツ創出や海外展開に充てる。同じファン向け事業でも、こちらの出し手はテレビ朝日グループのCVCと説明されている。
京都丹後企画の3,000万円は少人数私募債。限られた相手に発行する、返済を伴う社債である。賛同パートナーとして飯尾醸造、ウエダ本社、クスカ、高岡建材などの企業名が挙がり、個人も含む。個別の引受額は記載されていない。地域ファンが私募債を引き受け、事業の売上に応じて利率が変わる設計とした。
銀行が関わる私募債は2件あった。ボルテックスは山形銀行を引受人・財務代理人(社債の事務を担う金融機関)として9月30日に3億円を発行し、期間は3年、使途は運転資金。田村ビルズグループは佐賀銀行のSDGs私募債1億円を9月30日に発表したが、発行日は8月17日で、期間は5年だった。発表日と発行日が異なる例である。
金額非公表でも、事業上の接点は見える
DoIT本人の10月1日付発表は資本業務提携の基本合意のみを記すが、出資側のAIO総研は同日、DoITの第三者割当増資を引き受けたと完了形で発表した。
PURMX Therapeuticsは、日本触媒との共同検証の開始に合わせ、日本触媒が第三者割当増資を引き受けたと発表した。イーグリッドは、ソフトウェア開発やDX支援の体制構築に向け、アイテック阪急阪神による増資の引受け完了を公表している。いずれも金額は非公表だが、提携だけでなく増資の実施が記載されている。
WAYFARERのシリーズAは、Canon Marketing Japan MIRAI Fundをリード投資家とする。ホテル運営と、運営を支えるAI基盤の開発・事業化を進める。WEDには、グローバル・ブレインに加え、TOPPANホールディングス、ギフティ、Skyfallが参加した。レシートデータ事業の成長に向けた調達で、Skyfallの適時開示は新株引受けの払込完了を記載する。
WEDのラウンド総額は非公表だが、Skyfallの9月30日付適時開示には、同社引受分の取得価額49,998,960円(E種優先株式、取得後の持株比率6.17%)が記載されている。この一部金額は、今回額が判明した17件の合計・中央値には加えない。
ProAttendは企業経営者、事業承継経験者、士業などの投資家を引受先とする第三者割当増資を実施した。MOTはDBJキャピタルをリード投資家とし、松竹のCVCファンドも参加する。金額がない案件にも、個人中心の調達や政府系・事業会社の組み合わせがある。
増資・借入・新株予約権に分ける
株式による資金をエクイティ、借入・社債など返済を伴う資金をデットとして読む。ただし手法の記載がない案件を、ラウンド名や出し手の属性から増資へ振り分けることはしない。
| 型 | 今号の例 | 金額の扱い |
|---|---|---|
| 第三者割当増資 | キビテク、スペクトロニクス、LOMBY、こむぎの、mutex、Smolt、トレポータル、Pop Mint、レグミンなど | 今回額が判明した分を加算。非公表案件は件数のみ |
| 第三者割当増資等 | ブリッジスマイル | 8億1,900万円を加算。「等」の内訳は分からない |
| 株式と借入の合算 | GX MINERALS | 約4.6億円を一度だけ加算。内訳は非公表 |
| 増資・出資と融資、累計のみ | Live Search、WAKA | 累計12億円、5億円は別掲。今回額は加算しない |
| 私募債 | ボルテックス、田村ビルズグループ、京都丹後企画 | 各3億円、1億円、3,000万円を加算 |
| 手法を特定できない今回額 | Leafea、JAOPS、DriveX | 各10億円、2.6億円、約1.5億円。株式・借入への配分はしない |
| 新株予約権 | 今回の調達手段として明記された案件は確認できない | 登記の「新株予」受付を今回の調達手段の証拠にしない |
| 既存株主からの株式取得 | 今回の掲載範囲外 | 売却代金を調達企業の新規受入額へ含めない |
したがって、掲載案件の今回額を株式・借入・新株予約権へ金額で完全に分解することはできない。
金融系の関わり――ファンド出資、保険会社の増資引受け、融資、私募債
金融系が登場するのは14件。原則として発表で名称または属性を確認した範囲である。うちLive Searchの1件は、貸し手名・属性の記載がない融資案件として金融系に含めた。非公表の参加者を含む構成は分からない。地域金融機関だけでなく、保険会社、金融グループの投資会社・CVC、リース会社に関係するファンドも含む。
| 関わりの形 | 案件と原文で確認できる関与 |
|---|---|
| 地域金融系の投資会社・ファンドによる出資 | Smoltのちゅうぎんキャピタルパートナーズ、LOMBYのたましん-SNETI、こむぎのの西武しんきんキャピタル・ひびしんキャピタルなど |
| 保険会社による増資引受け | M2Xは東京海上日動火災保険から第三者割当増資による出資を受け入れた。業務提携の相手は東京海上ホールディングスで、主体を区別する |
| 借入を含む調達 | GX MINERALSは株式と借入を合算。WAKAはみずほ銀行・北國銀行の融資を明記。Live Searchも増資と融資を併用 |
| 私募債の引受け等 | ボルテックスは山形銀行、田村ビルズグループは佐賀銀行の私募債 |
| 地域での事業展開を支えるファンド | BlueWXはフィデアキャピタル、LEBO ROBOTICSはたましま地域活性化投資事業有限責任組合 |
BlueWXの発表には東京大学系・慶應系の投資家も登場するが、それらは前年のラウンドの出し手として説明されている。今回の大学系列には数えない。LEBO ROBOTICSはシリーズBの最初のクローズを完了し、ラウンド全体額は次のクローズ後に公表する予定とした。金額非公表のまま今回の件数に含め、予定の次回分は足さない。
出し手の属性マトリクス
対象は掲載38件で、新会社設立への出資は含めない。●は、原則として発表で名前が出た出し手、または事業会社・個人など属性だけが示された出し手を表す。うちLive Searchの1件は、貸し手名・属性の記載がない融資案件として金融系に含めた。同一案件の同一列は1件と数え、複数属性は重複計上する。空欄は、その属性の出し手が存在しないという意味ではない。

| 会社 | 独立系VC | 事業会社・CVC | 金融系 | 大学系 | 政府系・公的 | 個人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ブリッジスマイル | ● | ● | ● | |||
| Live Search | ● | ● | ||||
| Smolt | ● | ● | ||||
| LOMBY | ● | ● | ● | |||
| PURMX Therapeutics | ● | |||||
| WAYFARER | ● | |||||
| 京都丹後企画 | ● | |||||
| トレポータル | ● | ● | ||||
| knewit | ● | |||||
| LEBO ROBOTICS | ● | ● | ||||
| M2X | ● | |||||
| レグミン | ● | |||||
| WED | ● | ● | ||||
| ボルテックス | ● | |||||
| mutex | ● | |||||
| YH JAPAN | ● | |||||
| ProAttend | ● | |||||
| BlueWX | ● | |||||
| イーグリッド | ● | |||||
| Aitane | ● | |||||
| アドバンスコンポジット | ● | |||||
| WAKA | ● | ● | ||||
| キビテク | ● | ● | ||||
| インターホールディングス | ● | ● | ● | ● | ||
| Pop Mint | ● | |||||
| 田村ビルズグループ | ● | |||||
| Leafea | ||||||
| こむぎの | ● | ● | ● | ● | ||
| GX MINERALS | ● | ● | ● | |||
| GlobalB | ● | |||||
| wakai | ||||||
| JAOPS | ● | |||||
| DoIT | ● | |||||
| AIBORN | ● | |||||
| スペクトロニクス | ● | ● | ● | |||
| Contents X | ● | |||||
| MOT | ● | ● | ||||
| DriveX | ● | ● |
事業会社・CVC23件、金融系14件、独立系VC12件、個人6件、政府系・公的4件、大学系0件。Leafeaとwakaiの2件は手法・引受先の記載なしのため全列空欄とした。DriveXなどは個別名を示さず属性を公表している。これらを含めても、非公表の参加者を含む全体の構成は分からない。
Live Searchの融資は貸し手名・属性の記載がないが、融資のため金融系に置いた。京都丹後企画は賛同企業として名前が出る事業会社を●とした。
金融系には、金融グループ傘下の投資会社・CVC、リース会社、金融機関をLP(ファンドへの出資者)とするファンドを含む。ただし、LPに金融機関がいることだけで一律に金融系へ分類せず、投資主体・運営者の系列や発表での位置づけに基づく。金融系CVCを事業会社・CVCへ自動的に重ねて数えることもしない。
スペクトロニクスのゆうちょSpiralは、運営者がSpiral Innovation Partnersで、ゆうちょ銀行はLPのため独立系VCへ置いた。一方、EX Innovation Fundは外部の運営者であっても、Pop Mintの原文がテレビ朝日グループのCVCと説明しているため事業会社・CVCへ置く。Canon Marketing Japan MIRAI Fund、MEDIPAL Innovation、松竹のファンドも、スポンサー企業のCVCという位置づけを採る。
NOBUNAGAはファンドごとに分け、スペクトロニクスのGrowing Fundを独立系VC、インターホールディングスのRaise Fundを金融系とした。後者の原文は地方銀行系ファンドとして説明するが、同じ運営者の系列について表記が揃っていないため、NOBUNAGA全体の属性を断定するものではない。政府系・公的は、JIC系、DBJキャピタル、日本政策金融公庫・JAグループ系のアグリビジネス投資育成を含む。
対象外・別建ての動き
払込・実行前の契約・合意・決定6件と、株主名義で発表された私募債1件は、掲載件数・今回額から除いた。既存株の取得や提携契約だけの発表も、新たな資金受け入れと区別する。
| 対象外の型 | 件数 |
|---|---|
| 払込・実行前の契約・合意・決定 | 6件 |
| 株主名義の私募債発表 | 1件 |
| 海外法人が受け手 | 8件 |
| 既存株取得・事業承継PE等 | 4件 |
| 資本業務提携の締結のみ | 6件 |
| 新会社設立への出資 | 3件 |
| ファンドへのLP出資 | 3件 |
| 融資枠 | 1件 |
| 上場企業自身・子会社 | 7件 |
| 同一案件の続報 | 2件 |
上表は今回の確認対象に含まれていた案件の内訳で、市場全体の対象外発表を網羅するものではない。累計のみの5件は、この表の除外案件と異なり、掲載件数には含めて今回額の合計から外した。
この週をどう読むか
公表された今回額には10億円を超える案件がなかった。しかし、金額非公表16件と累計のみ5件がある以上、今回額が判明した17件の分布を、掲載38件すべての調達規模とみなすことはできない。
事業会社の関与は、mutexの医療業務支援、PURMX Therapeuticsの共同研究、イーグリッドの開発体制、Pop Mintのコンテンツ事業など、発表された事業上の接点と一緒に読むと具体的になる。金融系も、株式の引受け、借入、私募債では受け手との関係が違う。
この週に観測したのは、こうした複数の資金の受け入れ方と出し手の組み合わせである。事業会社・地域金融系が関わる例があっても、単週の発表だけで資金供給全体の転換や、特定の出し手の優位を結論づけるものではない。
範囲・計算方法・出典
この連載が扱う範囲
国内の未上場企業による外部からの資金受け入れに関する発表を対象とし、株式、新株予約権、融資、私募債を含む。設立間もない企業に限らず、事業規模の大きい未上場企業も対象とする。本号は日本時間2026年9月26日0時00分から10月3日0時00分までの発表日で区切った。発表日は9月28日4件、29日5件、30日17件、10月1日9件、2日3件だった。
払込・実行前の契約・合意・決定は数えない。この扱いは2026年9月26日週の号から適用する。私募債・借入は発行体本人が自ら発表したものに限り、株主・親会社・銀行名義の発表は範囲外とする。報道のみの案件も範囲外。累計のみで今回額を分離できない案件は別掲とする。
発表日と払込・実行日は区別する。田村ビルズグループは8月17日発行の私募債を9月30日に本人が発表したため、この週に含めた。LOMBYの最終クローズやトレポータルの増資実施時期も8月だった。同一の調達について本人と出資側の発表が複数あっても1件にまとめる。
計算方法
今回額17件を円単位で足した5,602,620,000円を、56.03億円と表示した。この合計はこの週の入金額を示すものではない。未公表額を0円とはせず、融資枠や累計のみの額を加えていない。「約」として発表された額は、その公表値を採用したもので、正確な入金額が円単位で確定したという意味ではない。
中央値は、金額が判明した17件を未丸めの円単位で並べた9番目の281,600,000円。2.82億円と表示した。金額判明分の中央値で、非公表16件と累計のみ5件は計算に含めない。
決算公告は10月2日までに公表された収録分を用い、各社の最新決算期末を表示した。円から億円へ換算し、絶対値1億円未満は小数2桁、それ以上は小数1桁とした。被保険者数は社会保険の月次KPIで、取得日は各年9月2日。登記受付は2025年10月3日〜2026年10月2日を対象とし、同一法人・受付日・種類の組を1記録と数えた。同じ受付に複数種類が併記されていても、種類ごとの別記録にはしない。
出典
個社の事業・調達額・手法・資金使途は、対象週の各社発表(PR TIMES等)および同一案件の出資側発表による。レグミンへの2,002万円と取得日はミークの9月30日付適時開示、WEDへの新株引受けの払込完了はSkyfallの同日付適時開示で確認した。Leafea、JAOPS、スペクトロニクスの金額は各社の10月1日付発表、私募債3件は各発行会社の発表を用いた。会社別の財務残高は収録決算公告、被保険者数は社会保険適用事業所の月次データ、登記受付は商業登記の受付情報による。