COMPALYZE JOURNAL — アーカイブ

2026年6月の記事

2026年6月に公開した分析記事 54 本。

「おたちゅう」「お宝中古市場」のビイブリッジ ── 吸収合併で店舗を束ねるリユースと、トレカ高騰の光と影

「お宝中古市場」「おたちゅう」を東日本中心に展開するリユース企業ビイブリッジ。リユース運営に関わるとみられる4社を相次いで吸収合併し、2025年にはアミューズメント事業を分社する『ロールアップ型』の拡大。取得できた決算公告の範囲では当期純利益は直近2024年8月期に約2.8億円・総資産は約2倍だが、この伸びは同じ時期に約2倍へ膨らんだ国内トレカ市場の高騰と無関係には読みにくい。追い風とリスクを決算公告と登記から読む。

FRONTEO、UBICからAI企業への20年 ── 米国訴訟支援を整理し営業益を戻すも、2027年3月期は営業6割減予想

国際訴訟の電子証拠開示AIから始まったFRONTEO(旧UBIC)。KIBITを軸に専門家の判断支援AIへ転換し、2022年3月期の最高益→米国子会社撤退・減損で2期45億円の純損失→2026年3月期は営業益7.4億へ回復した。ただし純利益は微減、増収にはアルネッツ買収も寄与し、会社は2027年3月期に営業利益59.4%減を予想する。再起の途上を決算と登記から読む。

日々31万食を担う給食大手ハーベスト ── 純資産2.4倍の堅実経営と、食の安全という重い責任

横浜の独立系給食大手ハーベストは、官公庁・病院・学校へ日々約31万食を提供し、売上約390億円・営業所約983か所を構える。単体の純資産は10年で約2.4倍、自己資本比率は28→41%と財務は堅実。一方で2023年に集団食中毒で横浜市の指名停止を受け中学校給食の内定を取り消され、その案件は子会社ハーベストネクストが受注した。堅実な決算と食の安全という重い責任を、決算公告・登記・報道から読む。

過去最高益の「九電工」は、なぜ社名から“九電”を外したのか ── 九州電気工事からクラフティアへの80年

旧・九電工(現クラフティア)は2026年3月期に連結純利益約400億円の過去最高益。財務が最も強い時期に『九電工』の看板を下ろし、2025年10月にクラフティアへ社名を変えた。九州電力は今も筆頭株主(約22.6%)で持分法適用関連会社。VISION 2029・天神への本社移転・最大50億円のCVC設立と連なる、創立100周年に向けた戦略を決算と登記から読む。

ハコベルの推定評価額は約140億円 ── ラクスル発の物流DXが、セイノーHDとのJVから物流業界の「資本連合」へ

ラクスルの物流事業が2022年8月にセイノーホールディングスとのJVで独立したハコベル。その後、山九・福山通運・日本ロジテム・日本郵政キャピタル・JA三井リースなど物流・金融大手が相次いで資本参画し、設立時に49.9%を持っていたラクスルは2025年1月に持分を24.4%へ引き下げた。直近2026年1月のラウンドを登記から試算すると、全株式数ベースの推定評価額(上場企業の時価総額に相当)は約140億円。物流2024年問題に挑む物流DXの資本と財務を、決算公告・登記・親会社の開示から追う。

イーディーピー「種結晶の栄枯」── 人工ダイヤブームの最上流で急伸した会社が、継続企業の疑義のなかでホンダと国策に賭けるまで

産総研の研究者が60歳で起業し2022年に東証グロース上場した人工ダイヤのイーディーピー。種結晶が売上9割超の最上流企業が、ラボグロウンダイヤ価格崩壊と無許可輸出(経産省「厳重注意」)で急失速。2026年3月期は連結売上5.2億円・純損失24.2億円(減損10.7億円)、継続企業の前提に疑義を生じさせる事象も。決算短信・IR資料・登記から実像を追う。

鬼怒川ゴム工業「DBJ非公開化」の10年 ── 雇用は残り、国内親会社単体の自己資本比率は1.5%まで痩せた

1939年創業の自動車部品メーカー鬼怒川ゴム工業は、2016年に日本政策投資銀行のTOB(1株780円・最大約526億円)で非公開化された。日産・東洋ゴムが株式を手放し、グローバルサプライヤー化を狙ったが、非公開化10年で単体の自己資本比率は52%→1.5%へ。2026年に持株会社化した経緯を決算公告と登記から追う。

そごう・西武「実質8,500万円」の売却 ── 名門百貨店がセブン&アイから米ファンドへ渡り、61年ぶりのストに至るまで

名門百貨店そごう・西武に付いた株式の値段は約8,500万円。だが会社に価値がなかったわけではない。西武池袋本店などの不動産(報道では約3,000億円で家電量販へ)と重い有利子負債を切り分けた結果だ。2023年にセブン&アイから米フォートレスへ渡り、前日には61年ぶりのスト。決算公告と登記から名門の分解を追う。

日医工「1,050億円の崖」── ジェネリック大手の上場廃止と、債権放棄・増資による債務超過の解消

ジェネリック大手・日医工は、米国買収の減損と品質問題で2022年3月期に連結1,050億円の最終赤字に沈み、2023年に東証プライム上場廃止。事業再生ADRで15行が最大985億円を放棄、債権放棄・増資・減資で単体の債務超過を1年で解消するまでを決算公告と登記から跡づける。

大戸屋「第3の創業」──敵対的TOBを経て、創業家の長男がコロワイド傘下の社長に就くまで

創業家がコロワイドへ株式を売却したことを起点に、敵対的TOBへと至った買収劇から6年。連結売上高は過去最高の370億円に達し、2026年6月、創業家の長男がコロワイド傘下のホールディングス社長に就いた。株主名簿と登記簿から「大戸屋・第3の創業」の構図を跡づける。

SANUの推定評価額は約140億円 ─ 2028年上場へ、2025年に凝縮された資本イベントを登記簿から読む

別荘サブスク「SANU 2nd Home」のSANU。2026年6月に過去5期分の決算公告が官報へ一括掲載され、決算期も10月から12月へ変更。シリーズB 64.5億円の中身と、全株式数ベースの推定評価額(上場企業の時価総額に相当)約140億円を登記簿から読み解く。

menuはなぜ赤字でも残るのか ─ KDDI・Ponta経済圏の「食の入口」と債務超過37億円

5期連続赤字・債務超過37億円のmenuを決算公告と登記から分析。KDDI50.6%・レアゾン49.4%の合弁(会計上はKDDI連結子会社)で、KDDIが取り込んだのは出前会社ではなくau・Ponta経済圏の「食の高頻度接点」。なぜ赤字でも残るのかを資本金の山と経済圏戦略から読む。